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多くの視聴者が涙…!『ロミオの青い空』が描く友情が思い出させてくれる「大切なもの」

多くの視聴者が涙した、アルフレドの最期

『ロミオの青い空』作画監督/キャラクターデザインを担当した佐藤好春氏が新たに描き起こした原画アート。2020年冬に展開予定の新プロジェクト「世界名作ノスタルジア」に合わせて制作されたもの (C)NIPPON ANIMATION CO., LTD.
『ロミオの青い空』作画監督/キャラクターデザインを担当した佐藤好春氏が新たに描き起こした原画アート。2020年冬に展開予定の新プロジェクト「世界名作ノスタルジア」に合わせて制作されたもの (C)NIPPON ANIMATION CO., LTD.

 当時のミラノは、少年が煙突掃除夫として売られるのが当たり前の時代でした。半年という期限はありますが、彼らは1日10時間煙突掃除をして働くという過酷な生活を送っていました。原作では少年労働の過酷さが強く出ていますが、アニメではロミオを中心とした煙突掃除夫の子供たちの友情を強く打ち出しています。

 それだけに、過酷な煙突掃除の労働が原因で病気になったアルフレドが、自分を追い詰めてきた勢力に打ち勝った後に命を落としてしまう展開には、多くの視聴者が涙しました。固い友情で結ばれたアルフレドの死を乗り越えることで、ロミオは自分のもつ力と人々を導いていく使命に気づき、立ち上がります。ロミオは、子供たちが自由に学び、自由に生きられる世の中を実現したいというアルフレドの遺志を継ぎ、やがて教師になることを目指すようになるのです。

 大人になった今、改めて『ロミオの青い空』を見ると、筆者が子供時代にリアルタイムで見ていた時に感じたのと同じように、「人を信じることの大切さ」を忘れないでいたいと思わせられます。たとえ騙されても、裏切られても、それでも人を信じたいと強く願い、行動し続けるロミオやアルフレド、掃除夫の仲間たちの物語は、これからも多くの人の心に残り、語り継がれていくでしょう。

(櫻野優里亜)

※アニメ『ロミオの青い空』は、バンダイチャンネル、U-NEXTなどの配信サイトで視聴可能です。

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