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『呪術廻戦』元ネタの数々 両面宿儺は「日本書紀」に登場する人物だった

伏黒の式神と呪胎九相図は元ネタ通りのデザイン

●伏黒恵の術式は“10種の宝物”がモチーフ

 虎杖の同級生・伏黒恵(ふしぐろ・めぐみ)の術式は「十種影法術(とくさのかげぼうじゅつ)」。自分の影を用いて十種の式神を操る術ですが、これは史書に登場する「十種神宝(とくさのかんだから)」がモチーフと思われます。

 十種神宝は、鏡2種、剣1種、玉(勾玉)4種、比札(スカーフのようなもの)3種からなる10種類の宝物です。これまで登場した伏黒の式神には、この十種神宝に対応する紋章が浮かんでいます。

 そして、マンガで登場している伏黒の切り札が「八握剣異戒神将魔虚羅(やさかのつるぎいかいしんしょうまこら)」。十種神宝のなかで唯一の剣である「八握剣」に対応しています。八握剣は“悪霊を祓う”力を持っており、魔虚羅の武器も対呪霊に優れた「退魔の剣」。まさにモチーフ通りです。

 もうひとつの元ネタは、仏教で信仰されている十二神将のひとつ、「摩虎羅大将」です。古代インドでは「摩ご羅伽(まごらが)※ごの字は目へんに候」と呼ばれ、体は人間、首は大蛇という姿をしています。作中の魔虚羅のデザインと一致していますね。

 魔虚羅を呼び出すときに唱える「布留部由良由良(ふるべゆらゆら)」ですが、これは十種神宝の力を呼び覚ます「布瑠の言(ふるのこと)」の一部です。これを唱えることによって、死者を蘇らせることもできるとされています。

●呪胎九相図はグロテスクな“仏教絵画”

 マンガで登場し、強烈なインパクトを残した特級呪物・「呪胎九相図(じゅたいくそうず)」。1番~3番である脹相(ちょうそう)・壊相(えそう)・血塗(けちず)が登場しています。

 この元となっているのが仏教絵画の「九相図」。死体が朽ちていく過程を9段階で描いた、グロテスクな絵画です。1枚目の脹相は、腐敗によってガスが発生し死体が膨らんだ場面。2枚目の壊相は腐乱が進み、皮膚が破れ始めます。3枚目の血塗はさらに腐っていき、血液や体液がにじんでいる状態です。

 作中に登場するキャラクターも、1番~3番にかけて徐々に人間離れした姿で描かれています。血液を使って戦うというスタイルも、元ネタを活かした設定だと言えるでしょう。

(古永家啓輔)

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