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『プリキュア』『おジャ魔女』原作者「東堂いづみ」が絶対に“顔出しNG”の理由とは?

「プリキュア」「おジャ魔女」は誰もが知るアニメシリーズですが、その原作者である「東堂いづみ」はあまり知られていません。一体、何者なのでしょうか。調べてみると……驚きのホラー(?)展開が待ち受けていました。

超絶売れっ子原作者だが、インタビューには応えず?

現在放送中の『トロピカル~ジュ!プリキュア』。原作者は「東堂いづみ」 (C)ABC-A・東映アニメーション
現在放送中の『トロピカル~ジュ!プリキュア』。原作者は「東堂いづみ」 (C)ABC-A・東映アニメーション

「東堂いづみ 誰」 「東堂いづみ 出身」 「東堂いづみ 年収」

……インターネットで「東堂いづみ」と検索すると、関連ワードで上記のような候補が出てきます。

 東堂いづみとは、『プリキュア』『おジャ魔女』など、今の子供たちから30代にいたるまで、多大なる影響を与え続けた超絶人気のアニメシリーズの原作者の名前です。そもそも原作者がいたことに驚いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 ところが、いくら調べても顔写真どころか原作者としてのインタビュー記事すら出てこないのです。同じく顔出しNGの原作者といえば、大ヒットマンガ『DEATH NOTE』の大場つぐみ先生が有名ですが、インタビューには答えてくれています。果たして「東堂いづみ」とは何者なのか。度を超えた照れ屋さんなのか、「そもそも存在していなかった」なんてホラー展開なのでしょうか。

●東堂いづみは「大人の事情」が生みだした?

 結論から申し上げると、ホラー展開でした。「東堂いづみ」なる人物は実在しないのです(知っていた方、引っ張ってすみません)。しかし、これは紛れもない事実です。

「東堂いづみ」とは、東映アニメーションがオリジナルアニメを製作する際に用いる共同ペンネーム(ハウスネーム)。『おジャ魔女どれみ』以降、ゲームやコミックスなどメディアミックス展開をする際の版権管理のため便宜上作られた擬人名称でした。面白いことに、子供向けアニメの原作者には、両手いっぱいの「大人の事情」が潜んでいたのです。

●「東堂いづみ」だけじゃない!ヒット作の裏には「幻の原作者」あり

 こうしたオリジナルアニメの版権管理を目的とした共同ペンネームの使用は何も「東堂いづみ」に始まったことではありません。同じく東映の「スーパー戦隊シリーズ」の原作者としてクレジットされている「八手三郎」も実在しません(もともとは敏腕プロデューサーの平山亨さんの筆名でした)。

 また『機動戦士ガンダム』などのサンライズ作品において原作クレジットになっている「矢立肇」も同様です。原作権を企業に帰属させるため、このような幻の原作者が必要なのです。そしてそんな「存在しない原作者」が毎回、オープニングでクレジットされている……ちょっとだけ奇妙な気分ですが、製作会社による気合の入ったオリジナル作品なのだ、という目線で楽しむこともできそうです。

 あなたの好きな作品の原作者、本当に存在していますか? とりあえず、2021年7月9日からシーズン9が放送開始した『孤独のグルメ』の久住昌之さんは実在し、元気に活躍されています。

(片野)

【画像】誰もが知る作品ばかり? 大ヒットでも原作者は「顔出しNG」なアニメ作品たち(5枚)

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