ロボットアニメ受難の80年代中期、不振の影にあった「ファミコン」の影響とは?
子供たちの興味がファミコンに移った?

なぜ1985年に打ち切りが重なったのか。大きな影響を与えたと考えられるのが、1983年に発売された「ファミリーコンピュータ」です。
特に1985年は子供たちのバイブル「コロコロコミック」で大々的にファミコンが特集されていた時期にあたります。
高橋名人が「16連射」で子供たちのヒーローになったのも、『スターフォース』で全国キャラバンが開催されたのもこの年です。9月にはファミコン最大のヒット作『スーパーマリオブラザーズ』も発売されており、ファミコン本体は完売に次ぐ完売。入荷するという情報が出回れば、期待に胸を膨らませる子供たちと疲れた顔をしたお父さんお母さんが列をなすという状況でした。
そう、子供たちが親にねだる玩具がロボットの超合金やプラモデルから、ファミコンへと変化したのが1985年なのです。この年に放送されたロボットアニメにとっては不運と言うしかありません。
結果、関東圏では土曜夕方に放送されていた日本サンライズ(現:サンライズ)のロボットアニメは1987年の『機甲戦記ドラグナー』でいったん終了し、『鎧伝サムライトルーパー』へと移行。これが高い女性人気を獲得するという、思わぬ結果をもたらします。
しかしロボットアニメの命脈がここで断たれたわけではありません。ファミコンを遊ぶにはまだ早い低年齢層へのアプローチがより強化されるようになり、1988年には『魔神英雄伝ワタル』、1990年には『勇者エクスカイザー』が登場し、人気作となりました。同時期には「トランスフォーマー」シリーズも大きな人気を獲得しており、通算で5作品が放送されています。
一度はファミコンにより大きな影響を受けたロボットアニメでしたが、その後も安定して作品が展開されており、1995年には『新世紀エヴァンゲリオン』が大ヒットを飛ばしています。
現代でも「機動戦士ガンダム」シリーズを中心に進化を続けるロボットアニメ。2021年秋にはさまざまなロボットアニメのメカとキャラクターが登場する「スーパーロボット大戦」の最新作『スーパーロボット大戦30』の発売も予定されており、まだまだこれからも私たちを楽しませてくれそうです。
(早川清一朗)




