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ロボットアニメ受難の80年代中期、不振の影にあった「ファミコン」の影響とは?

『機動戦士ガンダム』により火がついたロボットブームで、『太陽の牙ダグラム』や『超時空要塞マクロス』『装甲騎兵ボトムズ』 など優れた作品が子供たちを夢中にさせていました。しかし1980年代の半ばにロボットアニメは一時衰退します。影響を与えたと考えられるのが、ファミコンの存在でした。

80年代半ば、ロボット玩具が不振

ロボットアニメ『超獣機神ダンクーガ』は放送途中で打ち切りに遭った。画像は「超獣機神ダンクーガ Blu-ray BOX」(キングレコード)
ロボットアニメ『超獣機神ダンクーガ』は放送途中で打ち切りに遭った。画像は「超獣機神ダンクーガ Blu-ray BOX」(キングレコード)

 1980年代前半、ロボットアニメは黄金時代を迎えていました。『機動戦士ガンダム』『超電磁ロボ コン・バトラーV』『超電磁マシーン ボルテスV』『勇者ライディーン』など多くの作品が平日夕方に何度もリピート放送されており、ロボットアニメは現代よりも身近な存在でした。

 1981年には『太陽の牙ダグラム』。1982年には『超時空要塞マクロス』。1983年には『装甲騎兵ボトムズ』と、毎年のように続編が作られメディアミックス展開が行われている名作が生まれたのもこの時代の特徴です。その他にも『聖戦士ダンバイン』や『銀河漂流バイファム』『戦闘メカ ザブングル』など、さまざまな切り口、斬新なデザインのロボットが登場し、子供たちを夢中にさせていました。

 しかし1985年にロボットアニメを取り巻く状況は一変しています。この年にロボットアニメは『機動戦士Zガンダム』『超獣機神ダンクーガ』『蒼き流星SPTレイズナー』『忍者戦士飛影』の4作品が放送されていますが、「Zガンダム」以外の3作品は放送途中で打ち切られているのです。

 打ち切られた理由に関しては、『レイズナー』はメインスポンサーであった三洋電機が販売したファンヒーターで一酸化炭素中毒事故が起こり、撤退したためとされていますが、プラモデルの売り上げが良くなかったことも大きな理由となっていると考えられます。

『ダンクーガ』についてはアメリカで超合金ブームが起こり、ダンクーガを含むすべての在庫を輸出したために売るものが無くなり打ち切られたと奥田誠治監督により明かされています。しかし、日本国内で番組が放送されている最中に、放送していない海外にすべての玩具を送り出してしまうというのも不自然です。おそらく国内での売り上げが伸び悩んでいたことも理由のひとつと思われます。

『飛影』についても玩具が売れず、打ち切りとなりました。後に、ある玩具店が在庫処分に困り『幽遊白書』の飛影の人気が出た際に、便乗して在庫処分を行おうとした……というエピソードも残されているほどです。

【画像】ファミコンブーム期に放送され、駆け抜けていったロボットアニメたち(6枚)

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