金ロー放送『ヴァイオレット』TV版のあったクールがすごかった! 傑作アニメ3本そろう
2018年冬クール、あと2つの傑作
●キャンプブームをけん引する『ゆるキャン△』

そのひとつが「COMIC FUZ」(当時は「まんがタイムきららフォワード」)で連載中の、あfろ氏によるマンガが原作の『ゆるキャン△』。こちらはキャンプ好きとキャンプ初心者のふたりの女子高生が出会ったことから始まるコメディで、アニメ化をきっかけに人気が本格化しました。その後にショートアニメや第2期が放送され、2022年初夏にはオリジナルの映画も予定されています。
アニメだけでなく実写ドラマが2期にわたって放送され、近年のキャンプブームのけん引役になっているのも『ゆるキャン△』のすごいところ。最近では林野庁によるガイドブックに登場したように、さまざまな業種とのコラボレーションやキャンペーンも積極的に行われています。
●『宇宙よりも遠い場所』は目立った展開こそないものの…

4人の少女が南極を目指すオリジナルの青春ストーリー『宇宙よりも遠い場所』(略称:よりもい)も多くの人の胸を打ちました。本作は第22回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門の審査委員会推薦作品となっただけでなく、ニューヨーク・タイムズやbilibiliなど海外からも称賛を集めました。
そんな『よりもい』はアニメ放送後に続編や派生作品は作られていませんが、本編の完成度の高さを考えるとそれも仕方がないのかもしれません。ただし本作と同じくいしづかあつこ監督、キャラクターデザインの吉松孝博さん、そしてMADHOUSEという布陣の映画『グッバイ、ドン・グリーズ!』が2022年に公開予定のため、そちらに期待しましょう。
どんなクールにも傑作アニメはあるものですが、ここまで挙げたような1年に1本あるかどうかの大傑作が3本もそろっていた2018年冬。ほかにも『アイドリッシュセブン』や『ハクメイとミコチ』『刀使ノ巫女』『スロウスタート』などの快作もスタートしており、このクールは日本アニメにおける特異点だったと言っても過言ではないでしょう。現在も新作アニメが放送&配信され続けており、多くのアニメファンはチェックに忙しいはず。しかし今回の『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の地上波放送のような機会に、こうした過去のクールを振り返るのもいいかもしれません。
(はるのおと)