『鬼滅の刃』鬼になる前の禰豆子 天使すぎる3シーン
『鬼滅の刃』の禰豆子は鬼になる前、もともとどんな子だったか覚えているでしょうか。作中のほとんどを「鬼」として描かれてきた彼女の本来の姿が分かるシーンをご紹介します。
禰豆子は鬼になってもかわいいけれど…もともとどんな子だったのか?
禰豆子ってそもそもどんな子だったっけ……? 『鬼滅の刃』(著:吾峠呼世晴)を夢中になって読み進めているうち、ふとそんな素朴な疑問がよぎった人もいるのではないでしょうか。主人公・竈門炭治郎の妹・禰豆子は鬼舞辻無惨に襲われるも、完全には鬼にならず危害を与えぬよう竹をくわえさせられ、日中は箱に入って炭治郎に背負われています。
全編を通じてほとんど「鬼」として描かれた禰豆子ですが、彼女の本来の姿もわずかながら描写されています。果たしてどんな少女だったのでしょうか。改めて「思い出し」ましょう。
※この記事は、未アニメ化の重大なネタバレを含みます。原作マンガを未読の方はご注意ください。
●初登場のセリフは…「お兄ちゃん」
第1話ですでに鬼となってしまう禰豆子。襲われる前の登場はわずか4コマ(顔は3コマ)でした。初登場のセリフは「お兄ちゃん」でした。末弟の六太が炭を売りにいく炭治郎にくっついて騒がないよう、先んじて寝かしつけておくというファインプレーを見せています。わずかなコマ数でありながら彼女がいかに人の心に敏感な優しい子であるかがうかがい知れます。とはいえ、私たちが鬼になる以前の禰豆子に会える機会はこれでほぼおしまい。炭治郎が帰ってきたときにはもう、禰豆子は襲われてしまっているのです。
●回想のなかでも「いいよいいよ 大丈夫」
冨岡義勇の紹介により、鱗滝左近次のもとで修行する運びとなった炭治郎。彼の背中のカゴで揺れる禰豆子をおもんばかり、これまでも彼女が辛抱ばかりだったことを思い出します。その時の回想シーンにおいても、禰豆子は自分の古い着物を縫い直しており、炭治郎が気遣うと「いいよ いいよ 大丈夫」と笑顔で応じ「それより下の子たちにもっとたくさん食べさせてあげてよ」と続けるのです。なんて優しい子なのでしょうか。炭治郎と同じく、禰豆子は長女として家族を支える務めを全うしていたのです。
●最終巻で…「どうしていつもお兄ちゃんばっかり」
一気に話は進んで最終23巻。ついに鬼舞辻無惨を倒した、かと思えば炭治郎がここにきてまさかの「鬼化」。周囲が逡巡するなか、珠世らの必死の研究によって開発された薬により人間へと戻ることができた禰豆子が駆けつけます。そして、なんのためらいもなく鬼となった炭治郎を抱きしめるのです。鬼となっている間の記憶が判然としない禰豆子ですが、それでも炭治郎が自分のためにこれまで必死の想いで戦ってきてくれたことを知り、涙ながらに「お兄ちゃんに独りに全部背負わせたね」「どうしていつもお兄ちゃんばっかり苦しいめにあうのかなあ」と謝るのです。まるで自分の苦労などなかったかのように、ただただ炭治郎を思いやるその慈愛の心は、天使のようでした。やがてカナヲが放った薬の力で見事、復活。炭治郎の目が覚めたとき、禰豆子の最初のひと言は初登場と同じく「お兄ちゃん」でした。
ということで、ここまで見てきた通り禰豆子は鬼になる前も、なった後も、「天使」のような少女でした。「最終決戦」が終わった後も、明るく振る舞い傷ついた多くの仲間たちに笑顔を届けました。これが生来の天真爛漫さからきたものか、はたまた気を遣ってのものなのかは分かりません。その両方なのでしょう。
また、とにかく何も知らない伊之助に「お墓」の概念から説明してあげるなど持ち前の面倒見の良さを発揮している場面もあります。もし冒頭、禰豆子が生き残り、炭治郎が鬼となっていても、きっと同じ行動を取ったに違いない……そう思わせるだけの優しさと強さが禰豆子には備わっています。
※禰豆子の「禰」は「ネ」+「爾」が正しい表記
(片野)