「ジャンプ」惜しいところで打ち切り・マンガ4選 「それなり」人気があったのに!
「週刊少年ジャンプ」ではそれなりに人気を獲得していながらも「打ち切り」になってしまう惜しいマンガが存在します。5巻~10巻ほどで終了してしまった作品を紹介します。
実は復刻連載も? ファンを獲得していながらも終了してしまった「惜しい」マンガたち
応援していたマンガが打ち切られてしまうことはよくある話かもしれませんが、時に「え、結構人気あったじゃん?」とその終了に驚きを禁じ得ない場面も「週刊少年ジャンプ」にはしばし存在します。早期打ち切りを免れたからといって、てんで安心できないのが週刊連載のシビアなところです。この記事では、コミックス5巻から10巻まで続き、ファンを獲得していたが、惜しくも「打ち切り」となってしまった例を具体的に紹介したいと思います。
●画力は最初からお墨付き!『P2! ―let’s Play Pingpong!―』全7巻
『World 4u』などの作品で知られる江尻立真先生が描く、初の連載作品である『P2! ―let’s Play Pingpong!―』。2006年連載開始の本作は、運動オンチの主人公・藍川ヒロムが卓球に出会うことで自身の才能に気付いていくスポーツマンガです。初回から画力の高さにまず度肝を抜かれる本作。卓球描写の迫力に対し、ヒロムのひ弱な描かれ方もまた対照的でわかりやすい構成です。
個性的な先輩やライバル校の面々、そしてヒロムの成長……順調にスポーツマンガの王道を行くかに思えたのですが、残念ながら終了となってしまいました。「連載1周年突破記念特集」として石川佳純選手のインタビュー企画も掲載されるなど、着実に人気を獲得していただけに、本当に惜しい作品でした。
●武家社会に疑問を投じる異色作『サムライうさぎ』全8巻
2007年に連載された『サムライうさぎ』(著:福島鉄平)もまた実に名残惜しい作品でありました。主人公・宇田川伍助は武家に生まれながら、武家社会に違和感をもつ15歳。ただし、彼には15歳にして既婚。愛する妻のため、武芸で身を立て天下一の剣術道場を作ると決意する、夫婦愛を根底にした「ジャンプ」では異色の時代劇でした。
それからだんだんと「ジャンプ」らしいバトル中心の展開へと向かい、再び夫婦愛を軸にした物語に戻ったかと思えば最終回を迎えてしまうのです。(とはいえ後日談には感動が待ち受けます)。こちらは全8巻、改めて読み直したい名作です。
●巨匠つの丸が描く相撲青春ギャグ『ごっちゃんです!!』全5巻
『モンモンモン』、『みどりのマキバオー』で知られる巨匠、つの丸先生が2003年に連載したのが『ごっちゃんです!!』。タイトルの通り、相撲を題材にした青春ギャグマンガ。廃部寸前の相撲部に「大関の息子」と誤解されたまま入部してきたど素人の主人公ごっちゃん。このごっちゃんが問題児で、無口のくせにひどく図々しく、傍若無人そのもの。ただし、その挙動がなんとも愛おしいのが特徴です。インターハイの展開も大いに盛り上がっていたように思えたのですが、全5巻で終了となってしまいます。(筆者もリアルタイムでアンケートを送っていただけに寂しい限りでした)。
●復刻連載も! 細かすぎて伝わらないパロディの応酬『太臓もて王サーガ』全8巻
2005年から約2年にわたり連載された大亜門先生による『太臓もて王サーガ』も多くのファンによってその終了が惜しまれた作品です。「間界」の王子である百手太臓がハーレムランドを作るべく、ひたすら嫁探しをするギャグマンガ。ラブコメ要素もあり、看板作品にもなり得たかもしれない本作ですが、全8巻で終了となります。
『ジョジョの奇妙な冒険』(著:荒木飛呂彦)のマニアックなパロディネタでも話題を集めていました。さてこの『太臓もて王サーガ』ですが、「少年ジャンプ+」が募った復刻希望リクエストで上位になり、2015年に期間限定で復刻連載されたことがあるのです。根強いファンの気持ちが結実した瞬間といえるでしょう。
ということで、シビアな競争のなかで惜しくも終了となってしまった「ジャンプ」作品を紹介して参りました。連載も1年ほど続いた時期での「打ち切り」となると、応援していたファンの悔しさもまたひとしお。そういう意味においても『太臓もて王サーガ』の復刻連載といった企画は何度だってやって欲しいところです。5巻から10巻ほどで、惜しくも終了してしまったマンガといえば、皆さんだったら何を思い浮かべるでしょうか。
(片野)