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新作『うる星やつら』にメガネは登場する?テレビ名物のモノローグはもう聞けないのか

リメイクアニメ『うる星やつら』では、ファンから「『メガネ』は出るのか?」という声があがっています。旧作を知らない人は、「なぜその話題が持ち上がるの?」と思うかもしれません。ではその「メガネ」とは誰か? 解説します。

圧倒的な存在感を放つストーリーテラー! 「メガネ」=千葉繁

「メガネ」ことサトシの登場回も多数収録された「TV シリーズ うる星やつら Blu-ray SET1<スペシャルプライス版>」(ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント)
「メガネ」ことサトシの登場回も多数収録された「TV シリーズ うる星やつら Blu-ray SET1<スペシャルプライス版>」(ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント)

 2022年、アニメ『うる星やつら』(原作・高橋留美子)がフジテレビ「ノイタミナ枠」などで放送予定です。36年ぶりの復活が待ち遠しいインターバルに、ファンのあいだで話題になっている議題があります。それは「『メガネ』は出るの?」というものです。今回は旧シリーズで異彩を放っていたサブキャラ、「メガネ」について紹介します。

●原作派とアニメ派で揺れる存在「メガネ」

 旧アニメ(1981~86年放送)のファンは「『メガネ』は出るでしょ?」と思うはずです。「メガネ」といえば、ときに感情を爆発させ、ときに淡々と長セリフでまくしたてるシーンが印象的な、欠かせないキャラでした。ところが、彼は原作の漫画では初期にちょっとしか登場しません。つまり「メガネ」は、ほとんど「アニメのオリジナルキャラ」と言ってもいい存在です。

 アニメで「メガネ」が強烈なキャラに仕立てられたのはなぜか? それは「押井守さんが必要としたから」、という答えになるでしょう。後の巨匠・押井守監督は第129話(第106回放送分)までチーフDを努め、第100話前後から原作にないオリジナル回を多数打ち出したことでも有名ですが、よく「なんでもありだった」と振り返られるように、複雑、難解、独創的な話を多数作っていました。

 そうなると、説明や時間経過などの縦軸を語りで端折ったり、作り手の心情や思想、哲学的な部分をまとめて伝えて見やすくしたりする必要が出てきます。そこでストーリーテラー役に、インテリ風の「メガネ」を選んだわけです。また、その役に声優の千葉繁さんがピッタリとハマりました。押井さんが退任しても「メガネ」のその立ち位置は最後まで貫かれたので、重要で人気も高かったキャラだったことが伺えます。

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