【シャーマンキング30周年への情熱(68)】続編と関連作が描く壮大な戦いの序章を振り返る
TVアニメ『シャーマンキング』は2022年4月で最終回を迎えましたが、既報の通り、続編の製作が決定しています! 原作に存在する多くの関連作品のつながりについて、わかりやすく掘り下げながら説明します。
続編・関連作が同時に展開中。エピソードの焦点は?
2022年4月21日まで全52話を駆け抜けたTVアニメ『シャーマンキング』。続編製作についても発表され詳細が待たれます! 今回はその続編やスピンオフ作品について情報を整理します。
歴史のある作品は、新しいファンの方にとって「どの順番で、何を知ればいいのか?」が分かりづらく、作品を薦めたいファンの方も説明しづらい悩みを抱えますが、今回の情報が少しでもお役に立てばと思います! なお多少のネタバレはご容赦ください。
先月までTVアニメで放送されていた『シャーマンキング』は、ハオとの戦いから7年後、麻倉葉の息子・花が6歳の未来を描いて終わっています。この原作が『SHAMAN KING KC完結版』(講談社、全35巻)です。本作には設定を補完するおまけマンガが多数収録されていますが、特に重要なのは「麻葉童子(マッパどうじ)」(27巻収録)でしょう。アニメでは回想のみだった幼少期の麻倉葉王と鬼の乙破千代(おはちよ)の物語です。ハオが人の心を読めるようになるきっかけが描かれています。
また「紙の書籍版だけの特典」として、35巻には「DAY AFTER MAIZE」(デイ アフター トウモロコシ)という書き下ろし付録があります。文章と新作イラストで構成された40ページ以上の内容で、ハオとの戦いから14年後、2014年時点のキャラクターたちの情報が描かれています。現時点では最新の公式資料です。実は筆者も原稿制作に関わっています。
ところで、なぜ2014年なのかと言うと、2000年にハオがシャーマンキングとなった14年後、麻倉花が当時の葉と同じ年頃になった時代だからです。この時「歴代のシャーマンキングがハオの資質に異議を唱える」事態が発生します。
作品の世界観では、「シャーマンキング≒神」なので、直接やり合えば巨大な力の衝突で簡単に地球が消滅してしまいます。そこでこういう場合には各キングが代表を出して代理戦争をするシステムになっているのですが、これを「フラワー オブ メイズ(FLOWER OF MAIZE)」といい、「トウモロコシの花」と訳します。「メイズ」は「迷路(MAZE)」ではありません。そして現在展開されている関連作品は、基本的にこのためのチーム集めの過程を描いています。