【シャーマンキング30周年への情熱(79)】麻倉花が内に秘める「闇鬼」とは何なのか?
2024年1月より放映中のTVアニメ『SHAMAN KING FLOWERS』では、主人公の麻倉花に生命の危機が及ぶと出現する「鬼」が印象的に描かれています。鬼の力は凄まじいものですが、その源は何なのか? また、どうして「鬼」がなのか……? その秘密を紐解きます。
麻倉花が持つ「鬼」は2種類あった

みなさん、放送中のTVアニメ『SHAMAN KING FLOWERS』はご覧いただいているでしょうか? 早いもので、もう第8廻というところまで来ています。ここまでを観て強く感じることは、前回の記事でも触れた「わかりやすさ」もさることながら、かなり派手で熱いバトルもの、それでいてダークな内容になっているということでしょう。
これは原作『FLOWERS』が持つ雰囲気そのままですが、アニメではマンガのコマとコマの間がていねいに補完されており、よりいっそう迫力があります。特に第5廻、ショッピングモールでの麻倉路菓(ルカ)との戦いや、第7廻での伊吹ガッコとのバトルは、麻倉花のなかに眠る正体不明の「鬼」が登場するということもあって、迫力だけでなく原作のダークさもより際立っています。
……というわけで、今回はその花のなかに眠る「鬼」について掘り下げてみましょう。
花のなかに眠る鬼は、大別すると2種類あります。ひとつは彼がもともと秘めていた鬼、もうひとつは現シャーマンキングのハオから授かった鬼です。
鬼をもともと秘めていたというのは、花の母親が「恐山(きょうやま)アンナ」であることに由来します。アンナは幼少期、自分でも制御できないほど強すぎるシャーマン能力が災いして心を閉ざしてしまい、日本三大霊場・恐山のふもとに住むイタコ・麻倉木乃に預けられます。
そこを訪れた麻倉葉に少しずつ心を開きますが、その過程で自分の境遇に対する恨みつらみが一気に具現化し、鬼の形となって現れてしまいます。この鬼は葉によって倒され、その後アンナも自分のシャーマン能力を制御することができるようになるので、鬼はなりを潜めたように見えますが、能力が弱まったわけではなく、息子の花はそれをしっかり受け継いでいます。
ショッピングモールで暴走した花が「鬼は外」と繰り返すたびに巨大化していった鬼たちは、当時、アンナが具現化した鬼の姿そのままです。
この鬼の物語は、TVアニメ『SHAMAN KING』の30話~34話、原作コミックス(マガジンエッジKC)では19、20巻に収録されている「恐山ル・ヴォワール」編に収録されています。
そしてもうひとつの鬼は、幼少期に命を落とした花を蘇生させる条件として、ハオが持たせたものです。花が死にかけた時の最終段階で現れますが、その巨大さ、姿の恐ろしさは他の鬼と比較にならず、それを見た麻倉葉羽(ヨハネ)は「闇鬼(やみおに)」と呼びました。
しかし考えてみると、なぜハオは鬼を授けたのでしょう? 他のものではダメだったのでしょうか?