【シャーマンキング30周年への情熱(67)】ハオに訪れた「救い」 そしてアニメは「続編」へ
2021年4月から放送中のTVアニメ『シャーマンキング』もついに最終回を迎えました。1年走りきって迎えた大団円、そしてその後に流れた続編製作のお知らせ! おめでたいこのふたつをしっかり掘り下げます!
シャーマンキングの心を救った、全員の優しさと母の愛
2022年4月21日放送のTVアニメ『シャーマンキング』第52話。ついに、ついに最終回を迎えました! 長いようで短かった1年間、原作を最後まで描き切ってもらえたことに敬意と謝意を表したいと思います! そして、「続編」の製作決定も明らかになりました。驚いた方も多いと思いますが、まずは最終回の内容を振り返りましょう。
まず、ラスボス・ハオの「オーバーソウル グレート・スピリッツ」を見た麻倉葉たちの反応は、分かる人にはわかるセリフでしたね(笑) しかしいくらガンダム好きと言ってもこんな曲面でパロディを持ってくるとは、実に武井宏之先生らしいと感じます。
そしてここから繰り広げられるのは、ハオとの最終決戦……ではなく、「手合わせ」です。そう呼ぶのは、葉たちは戦いで決着をつける気などないからですが、ハオの方は勝つ気満々でさまざまな技を繰り出してきます。
しかし、グレート・スピリッツのなかは思いひとつでどうにでもなる世界。何をされても「何とかなる」と立ち向かっていたところに、まん太たちを乗せた列車「乙斗星」が駆けつけます。「恐山ル・ヴォワール」編で葉がマタムネとともに青森に向かった寝台列車です。そこには葉や道蓮、ホロホロたちの思いをしっかり支える仲間や家族の姿だけでなく、ハオ組の姿もありました。
ハオ組は葉達と敵対するのではなく、ハオの理解者として傍にいることを条件に、殺した人々を蘇生するようにと頼みます。それもそのはずで、「乙斗星」に乗っていた者は全員、ハオが孤独に怯えていたこと、恨みの念が強すぎてどこまでも素直になれないことを見抜いていたのです。
どうやって知ったかはわかりませんが、乙破千代(おはちよ)が一緒ならベラベラ喋りそうな気がします。そして誰もが優しい心でハオを受け入れる心を持ったのです。
彼らはそれだけでなく、ハオを改心させる方法も知っていました。それが、彼の母・麻ノ葉の存在です。母を殺され怒りと悲しみに支配されたハオは、最強の力を手に入れた代わりに愛を拒絶し、死後もずっと彼のそばにいた母の愛にも気づけなくなっていたのでした。
ハオと母親の再会が控えていることを知っているので、誰も何も恐れる必要はありません。知らなかったのは心が読めなくなったハオだけ……。そして麻ノ葉と再会したハオは「幻の右」を食らってこっぴどく叱られました。それでも強がる姿は、もうシャーマンキングでも囚われの姫でもなく、ただの微笑ましい子どもです。それを見た葉は、満面の笑顔で喜ぶのでした。