安西先生は何を教えてる? 担当教科が気になる教師キャラたち 鬼塚が教える「社会」
あの先生たちは一体何を教えていたのでしょう? マンガ・アニメでは割愛されがちな、先生の「担当教科」からそのキャラの魅力を掘り下げます。
「先生」キャラは「担当教科」からも読み解ける!

学園を舞台にしたアニメやマンガにおいて、「先生」は物語を牽引する非常に重要なキーパーソンとなります。時に主人公たちとぶつかり、時になめられ、軽んじられ、時に歴史に残る名セリフを残す……そんなフィクションには欠かせない先生たちですが、そもそも彼らは何の教師だったのでしょうか? 言われてみると即答できないあの先生たちの「担当教科」から、彼らのキャラクターを掘り下げます。
●グレートティーチャーが教えてくれたもの……『GTO』の鬼塚英吉
最も教師らしくない教師を描きながら、今ではマンガ界の代表的な先生キャラとなった『GTO』(著:藤沢とおる)の主人公・鬼塚英吉。「Great Teacher Onizuka」を自認し、一癖も二癖もある東京吉祥学苑の生徒らに破天荒な教育を施し続けた彼ですが、そもそも何の教科を担当していたのでしょうか。
実は鬼塚は「社会科」の教師でした。自分の履歴書すらまともに書けない鬼塚の授業は基本的にはやりたい放題で、オハコの怪談を披露したり、デビルマンのコスプレをしたりとふざけ倒してばかりでしたが、なるほどたまに「公民」と書かれた教科書を持っていました。
あまり授業シーンのイメージがないとはいえ、どんな困難な局面であろうと決してあきらめず、バイクで宙を舞ったり、腹に銃弾を受けた状態で全国模試に臨んだりと、彼は間違いなく「社会」を教えてくれる教師でもあったのです。ちなみにヒロインの冬月あずさ先生は2012年ドラマ版と原作では国語教師ですが、1998年ドラマ版では英語教師に変更されています。
●『ROOKIES』の熱血教師・川藤幸一は何の教科を担当していた?
実写ドラマ、映画も大ヒットした野球マンガ『ROOKIES』(著:森田まさのり)の主人公・川藤幸一は、二子玉川学園高校に赴任してきた熱血教師。彼が不良たちの巣窟・野球部の顧問となりその並々ならぬ情熱を武器に、安仁屋や若菜といったド級のヤンキーたちの心を動かし、甲子園を目指します。
「夢にときめけ! 明日にきらめけ!」とどこか面映ゆい言葉を信条とする彼の担当教科は、ずばり現代国語。井伏鱒二の『山椒魚』を授業で扱った際は、凄まじく下手なサンショウオの絵を黒板に描き、生徒から総ツッコミを受けました(この絵はのちにドラマ版でも完全再現されて話題を集めます)。新庄への「手って不思議だよな。握れば拳、開けば掌(たなごころ)。」などの名言のように、改めて読み直せば、川藤という人間がいかに言葉の力を信じているかが伝わってきます。