逆に珍しい? 普通に両親と暮らしているジャンプ主人公たち 親が隠れ蓑の男も
普通の両親のリアクションに感動
●両親の心配を振り切って走る!『アイシールド21』小早川瀬那
中学・高校が舞台の超有名スポーツ作品であっても案外、両親と暮らしていることが明確に描かれている作品は少ないようです。例えば『スラムダンク』(著:井上雄彦)の主人公・桜木花道も過去の回想で父親が玄関先で倒れ病院に搬送されるシーンが挿入されましたが、母親に関する言及はありませんでした。また『ハイキュー!!』(著:古舘春一)も主人公、日向翔陽にも両親に関する情報はほとんど出てきません(小説版では、お母さんのビジュアルが公開されています)。『キャプテン翼』でも、翼と大地の父・広大は外国船の船長をしており、あまり家にはいませんでした。
さて、そうなってくるとアメフトマンガ『アイシールド21』(原作:稲垣理一郎・作画:村田雄介)の小早川瀬那は実家暮らしかつ、しっかり母と父の描写もある点で、少し珍しいかもしれません。自分が「アイシールド21」であることを周囲に隠し、あくまでも「主務」としてアメフト部で活動していることにしている瀬那は昔からまもり姉ちゃん、そして両親に心配ばかりかけてきました。だからこそ、正体が明かされた時のカタルシスは、それを見てびっくりしているごく普通の両親の存在なくしては語り得えなかったでしょう。特に息子を信用している穏やかな父・秀馬は、ジャンプの父親キャラのなかでも屈指の普通っぽさと優しさを感じます。
ジャンルを問わず「両親と暮らしている」ジャンプ主人公は、少ないことがわかりました。もちろん家族構成の多様化が当然となってきた昨今、わざわざ「両親が登場しない理由」を明かす必要はなくなってきているのかもしれません。
(片野)