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「京アニ」製作の劇場版『響け!ユーフォニアム』 BS12で放映、部活の思い出が蘇る?

各部員の葛藤を乗り越えて、奏られるハーモニー

2年生になった久美子(中央)は、関係が悪化した先輩と後輩の板挟みになって……『劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~』より (C)武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
2年生になった久美子(中央)は、関係が悪化した先輩と後輩の板挟みになって……『劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~』より (C)武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会

 京都アニメーションが製作した、山田尚子監督の『リズと青い鳥』は、同じ北宇治高校の同時期の吹奏楽部木管パートを描いた物語です。3年生のふたり、オーボエ担当のみぞれ、フルート担当の希美を中心に描かれていました。同じ吹奏楽部でも、学年や担当パートによって、まったく異なるドラマが繰り広げられていたわけです。

 友情と嫉妬心が混在する希美とみぞれは、本番でどんな演奏を披露したのかは、『リズと青い鳥』では描かれていませんでしたが、『-誓いのフィナーレ』では北宇治高校吹奏楽部が全国大会を目指して県大会に挑む様子がクライマックスとなっています。

 演奏を聴くために会場に集まった人たちは、吹奏楽部の部員たちが舞台裏でどんなドラマを繰り広げたのかは知りません。でも、各部員たちが葛藤を乗り越えて演奏する、それぞれの楽器の音色の美しさ、そしてハーモニーの心地よさに、観客は魅了されることになるのです。

 北宇治高校吹奏楽部の全部員が一丸となって練習の成果を発揮する「リズと青い鳥」の演奏シーンは、聴き応え充分です。

野球マンガ『キャプテン』を思わせる展開に?

 個性豊かな北宇治高校吹奏楽部の部長を務めるのは、大きなリボンがトレードマークとなっているトランペット担当の3年生・優子です。前年度に全国大会に出場しただけに、新しい部を引き継ぐのは大変なプレッシャーがあったことでしょう。それでも優子は時に空回りしながらも、新リーダーとして精進し、県大会では部員をまとめることに成功します。演奏が終わった後の、優子のあいさつも見事です。

 本作を観ていて思い出すのが、ちばあきおさんの名作野球マンガ『キャプテン』です。弱小野球部を舞台に、谷口タカオ、丸井、イガラシ、近藤……と、歴代キャプテンが代々奮闘し、チームが成長していく様子が描かれていました。自分によく似た、等身大の野球部員たちが汗を流し、地道な練習を重ねる姿がとても印象に残っています。

 学生たちの部活動は毎年顔ぶれが変わるため、1年ごとにチーム編成は大きく変わり、部内の雰囲気もガラリと変化します。体育会系と文化系との違いはありますが、『キャプテン』も『響け!ユーフォニアム』も、本番に向けてどんなチームに仕上がっていくのかが楽しみになる作品です。

 3年生が卒業した後は、誰が北宇治高校吹奏楽部をまとめていくことになるのか。本作の最後まで、ぜひ見届けてください。

(長野辰次)

【画像】劇場版で振り返る、『響け!ユーフォニアム』北宇治高校吹奏楽部の歩み(10枚)

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