マグミクス | manga * anime * game

3次元だけ見ている人が多い? 大成功した実写版と原作マンガを数値で比較してみたら

TVドラマや映画にはマンガ原作モノが多いですが、実は原作を読んでいない観客の方がかなり多い場合もあるのではないでしょうか?今回は発行部数と視聴率、観客動員数を調べて紹介します。

マンガだけ、実写だけ、どちらかだけではもったいない名作たち

社会現象になり、「恋ダンス」も大流行した『逃げるは恥だが役に立つ』ビジュアル (C)TBS(C)海野つなみ/講談社
社会現象になり、「恋ダンス」も大流行した『逃げるは恥だが役に立つ』ビジュアル (C)TBS(C)海野つなみ/講談社

 コミック界で世界最大のシェアを誇るのは、日本のマンガです。そして、コンテンツ産業界がメディアミックス展開を行うのは当たり前のことのため、マンガはアニメ化、実写化もされることも非常に多いです。しかし、マンガとは逆に日本の実写版作品は非常にドメスティックな市場で、主に国内で消費されます。そのなかには、実写版の出来がよく大ヒットしたため、「原作マンガより実写版の方が有名なのでは」と思う作品もあります。

 そもそもコミックスを何巻もそろえるより、劇場で1回1900円を払うだけ、もしくはTVドラマでタダで見られるという利点がある実写版の方が原作より認知度が高まるのはよくあるケースのようです。こちらの記事ではそのなかでも、特に「実写版の方が見た人がかなり多いのでは?」と思うヒット作品を独断で選び、実際の数値をもとに比較してみました。

 まず、原作を読んだ人の数、実写版を見た人の数を正確に出すことは不可能なので、以下の形にしています。

・原作を読んだ人の数=累計発行部数÷巻数(累計発行部数だとのべ人数になってしまうので巻数で割っています)※累計発行部数は調査時点(2022年8月)でのものです。

・実写を見た人の数=テレビの場合は日本の総人口×視聴率、映画の場合は=興行収入÷1400円(大人料金、子供料金、その他各種割引料金などが混在しているはずなので、間を取って前売り券価格)とします。

 上記のように、単純計算にはなりますが、数値をもとに比較を行います。

●『海街diary』

 まずは『BANANA FISH』でも知られる吉田秋生先生の『海街diary』です。数値をまとめると、

・原作累計発行部数 360万部
・1巻当たりの平均発行部数(全9巻)=40万部
・映画国内興行収入16.8億円(2015年公開邦画で23位)、推定観客動員数120万人

 と、なります。原作一巻あたりの平均発行部数40万(読者数)に対し、興行収入からの逆算で約120万人を動員した計算になりました。数字だけ見ると、3倍ほど実写映画を見た人の方が多いことになります。今回は国内の成績だけですが、同作は国際的にも評価の高い是枝裕和監督が手掛けているため、海外でもある程度の人数が映画を見ていることでしょう。映画単体でも素晴らしい作品ですが、実写版で描かれているのはあくまで原作序盤のエピソードなので、姉妹のその後が気になる方は原作もぜひ読んでみてください。

●『三丁目の夕日』

 続いて、半世紀越えの超長寿作品『三丁目の夕日』(作:西岸良平)です。2005年から2012年にかけて、実写映画が3作作られました。

・原作累計発行部数1400万部
・1巻当たりの平均発行部数(既刊69巻)=20万2898部
・映画国内興行収入(『ALWAYS 三丁目の夕日』)32.3億円(2005年公開邦画で7位)、推定観客動員数230万人
・映画国内興行収入(『ALWAYS 続・三丁目の夕日』)45.6億円(2007年公開邦画で3位)推定観客動員数325万人
・映画国内興行収入(『ALWAYS 三丁目の夕日’64』)34.4億円(2012年公開邦画で8位) 推定観客動員数245万人

 爆発的なヒット作ではないものの、長期連載のマンガで、累計発行部数は堂々の1000万部越えです。1巻当たりだと20万部強になります。そして、映画3作の動員数は合計約800万人にもなる計算でした。こちらも実写映画を見た人の数のほうが、原作読者数よりもかなり多そうです。とはいえ、こちらも映画で描かれたのは膨大な原作の一部に過ぎません。茶川先生や六ちゃんなど、原作とは設定の違うキャラも多いので、こちらもマンガと実写両方楽しんでほしい作品です。

●『逃げるは恥だが役に立つ』

 続いて海野つなみ先生の『逃げ恥』です。大ヒットドラマとして記憶に残っている人も多いでしょう。

・原作累計発行部数 450万部
・1巻当たりの平均発行部数(全11巻)40万9090部
・実写ドラマの平均視聴率 14.6%、推定視聴者数1836万人

 1巻当たりの発行部数40万部に対し、実写ドラマは1話あたり約1836万人が視聴したことになります。さらに、『逃げ恥』最終回の最高視聴率は30%越えであり、瞬間的には3500万人以上が視聴しました。少なくとも計算上、テレビドラマの最終回を少しでも見た人の数が原作を読んだ延べ人数の8倍近くいることになります。主題歌に載せた「恋ダンス」も大流行し、コンテンツとしてだけでなくその年の「トレンド」にもなりました。

【画像】もちろん原作も面白い!大ヒット実写版とマンガを比較(11枚)

画像ギャラリー

1 2