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11月3日は「手塚治虫」の生誕日 『マグマ大使』など特撮ドラマになったマンガ作品

「マンガの神さま」手塚治虫氏は、60歳の生涯のなかで実に多彩な作品を残しました。時代の流れを読むのも巧みで、怪獣ブームの時代には『魔神ガロン』や『ビッグX』などの巨大ヒーローものを手掛けています。日本初のカラー特撮ドラマとして記憶されている『マグマ大使』、「幻の特撮ドラマ」と呼ばれる『サンダーマスク』を振り返ります。

時代の流行に合わせ、巨大ヒーローを描き出す

「マグマ大使 第一巻」DVD(キングレコード)
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 11月3日は「文化の日」ですが、「マンガの神様」手塚治虫氏が生まれた生誕日でもあります。手塚氏は1928年(昭和3年)に、大阪府豊中市に生まれました。「明治節」に生まれたことから、「治」と名付けられたそうです。子どもの頃からマンガだけでなく、昆虫も大好きで、小学生時代から「手塚治虫」というペンネームを使っていました。やがて、医学部に通う学生漫画家として、1946年(昭和21年)にプロデビューを果たし、戦後のマンガ界を代表する存在となります。

 人間よりも人間らしい、高性能ヒューマノイドを主人公にしたSFマンガ『鉄腕アトム』は、手塚氏がみずから設立した「虫プロダクション」によって、1963年にTVアニメシリーズとしてフジテレビ系で放映されました。明るい未来を象徴するアイコンとして、アトムは今も人気の高いキャラクターです。他にも『どろろ』『海のトリトン』『ミクロイドS』など、さまざまな手塚作品がアニメ化されています。

 マンガやアニメの印象の強い手塚氏ですが、怪獣ブーム全盛期だった1960年代~70年代には巨大ヒーローものも執筆しています。手塚氏が関わった特撮ドラマを振り返ります。

金ピカの巨大ヒーロー『マグマ大使』

 手塚治虫原作の特撮ドラマとして思い出されるのは、1966年7月4日にTV放映が始まった『マグマ大使』(フジテレビ系)です。同年7月17日にスタートした『ウルトラマン』(TBS系)よりも13日だけ早かったことになります。日本初のカラー放送による特撮ヒーロー番組として、『マグマ大使』は歴史に名前を刻んでいます。

 主人公となる「マグマ」は、全身金ピカの巨大ヒーローでした。歌舞伎の連獅子を思わせる長髪をなびかせて、怪獣たちと戦いました。マグマは「ロケット人間」という設定で、ロケットが変形して、マグマとなります。マグマの変身&金ピカぶりに、当時の子どもたちは魅了されました。

 悪役のゴアも、子どもたちの脳裏にくっきりと記憶されています。地球侵略を企む凶悪宇宙人ゴアは、原作マンガでは愛嬌がありますが、実写版はリアルな「鬼」を思わせる強烈なビジュアルとなっており、小さな子どもなら泣き出してしまうレベルでした。人気声優の大平透さんが着ぐるみに入って演じていたことは、ずいぶん後から知りました。

 マモル少年を演じたのは、のちに人気アイドルグループ「フォーリーブス」の一員となる江木俊夫さんです。マモル少年が笛を一度吹くと、子どものロケット人間「ガム」、二度吹くとお母さんの「モル」、三度吹くとお父さんの「マグマ」がロケット姿で飛んできます。家族で変身するヒーローもの、という設定もユニークな『マグマ大使』でした。

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