聞かなきゃ終われない、アニメの予告〆ゼリフ 「本編ではほとんど言ってない」有名ワードも
「この次もサービス、サービスぅ!」の意味とは?
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●キャラの決めゼリフで〆る系
キャラクターの印象的な決めゼリフを、次回予告の〆に持ってくるパターンもあります。たとえば、『北斗の拳』の「お前はもう死んでいる」や、『キン肉マン』の「へのつっぱりはいらんですよ!!」などは、その代表格でしょう。番組終わりに毎週「死んでいる」だの「へのつっぱり」だの言われるのはどうなの? という気がしないでもないですが、最後にもう一度必殺の決めゼリフを聞きたい……という思いに応えてくれているのでしょうね。
他にも『ワールドトリガー』では、武器であるトリガーを起動(オン)するときの決めゼリフ「トリガーオン」が、『魔法使いプリキュア!』では魔法の呪文「キュアップ・ラパパ!」が予告の〆ゼリフになっています。プリキュアではそれに続いて「今日もいい日にな~れ!」と願ってくれるのですから、最後まで見ない手はありません。
ちなみに『ONEPIECE』の「海賊王におれはなる!!」は、ルフィのおなじみの決めゼリフ……かと思いきや、本編中ではほとんど登場しないのです。耳なじみなのは、毎週の予告〆ゼリフで聞いているからのようです。
●我が道をゆくオリジナル〆ゼリフ系
お願いでもない、決めゼリフでもない、独特な〆ゼリフもあります。その筆頭は『新世紀エヴァンゲリオン』の「この次もサービス、サービスぅ!」でしょう。今週何をサービスされたのかもよく分からないのに、この次もサービスしてくれるという謎のセリフ……だと思っていたのですが、庵野秀明監督によると「エヴァンゲリオンはサービス過剰なんです。ただで見せるものにしては凝り過ぎですから。ウチが貰ってる予算で作るにしては高価すぎる」。ハイクオリティな作品自体がサービス、ということに思い至らなかった自分を反省しました。
作品の世界観を感じさせる予告〆セリフもあります。『聖闘士星矢』の「君は、小宇宙(コスモ)を感じたことがあるか!?」、『機動戦士ガンダム』の「君は生き延びることができるか」、『美少女戦士セーラームーン』の「月の光は愛のメッセージ」などなど。『幽☆遊☆白書』の「伊達にあの世は見てねぇぜ!!」も、物語のはじめに死んでしまった主人公・幽助が放つ秀逸な〆ゼリフですが、実はこれ「週刊少年ジャンプ」の「第8回キャッチフレーズグランプリ」で、当時17歳だった読者が応募した「ダテにあの世は見ちゃいねえ!!」が元になっているのだそうです。ファンだからこそくみとった、幽助の心の声だったのかもしれませんね。
最近のアニメ予告では、映像のみでナレーションがない、映像すらなくタイトルのみ、というケースも増えてきましたが、予告まで余すことなく楽しみたいのがファン心理。これからもステキな次回予告と〆ゼリフに出会えることを、切に願っています。
(古屋啓子)