“次世代学習用ボードゲーム”が示す「ボードゲーム×学習」の親和性
「ボードゲームと学習」は相性がいい
『Marketing Town』は、参加者が社長となり会社を経営していくゲーム。ひと月ごとに会社の意思決定を行うことでゲームが進行し、これを12回繰り返すことで、1期としてカウント。4~7期分行い、算出した営業利益で勝敗を決定するというルールです。
プレイヤーが選択できる意思決定は、市場調査、出店、広告、仕入れ、販売、資金調達の6つとなっており、それぞれがマーケティングの現場で実行されているプロセスです。
そんな流れを受けて誕生した『Marketing Town』ですが、どういったゲームなのでしょうか。開発者の株式会社NEXERA山本龍之介さんに話を聞きました。
ーーなぜボードゲームを作ろうと思ったのでしょうか。
ゲーム開発担当の私山本は、ボードゲーム開発やイベントなどを行っていました。本事業代表の飛田恭兵はマネジメントゲーム(参加者がそれぞれ会社を擬似経営することでビジネス感覚を身につける研修用のゲーム)に感動し、マーケティングという視点で学習用ボードゲームを作りたいと考えていました。ゲーム制作の山本、マーケティング監修の飛田で完成させたのが『Marketing Town』でした。
ーーマーケティングをボードゲームに落とし込む上で気をつけたこと、大変だったことはありますか?
一番こだわったのはリアリティです。ただのゲームとはいえ自分事のようにゲーム内容を体感してもらう必要があります。ただのコマや数値を移動させるのではなく、実際にそこでビジネスが行われているような感覚をもってもらいたい。そのために、想像の余地を残すルール設定やデザインにこだわりました。
ーーマーケティングを学ぶ上で、ボードゲームは相性がいいと思いますか?
とてもいいです。マーケティングだけに限らず、あらゆる分野においてボードゲームと学習は相性がいいと思います。ボードゲームでは、ひとつのゲームで学習できる情報量は少ないですが、楽しく基礎的なエッセンスを学ぶことができます。さらに、それはその学習を深めていくためのいい導入にもなります。
ーー『Marketing Town』をどのように成長させていきたいですか?
『Marketing Town』を通じて、より多くの人にそんなマーケティングの重要性やその基礎を体感してもらうことが目標です。教育コンテンツ、イベント、企業研修、採用を通じて、そのような活動を行っていければと思っています。
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ブームを背景に、今回の『Marketing Town』はマーケティングのスキルの重要性をボードゲームで世に問うたものといえます。このゲームの活用が進み、その効果が実証されれば、ゲームの教育活用がビジネスの現場にも持ち込まれる機運を後押ししていくことになるでしょう。
ゲームを使った疑似体験を活用した教育が、社会のさまざまな局面でどのような役割を果たしていくか、注目したいところです。
(マグミクス編集部)