【社長のマンガ】”岩下の新生姜”岩下和了社長 ”自由”と”私らしさ”を教えてくれた3作品
「岩下の新生姜ミュージアム」の半分は吾妻ひでお

●『失踪日記』(吾妻ひでお/イースト・プレス)
吾妻先生の作品は、小学時代からずっと好きで、『不条理日記』(奇想天外社)をはじめとするシュールなSFギャグ世界にどっぷりハマりました。
吾妻先生は、美少女マンガのひとつの原型を作った漫画家ですが、しかし、その作品世界は、そういった一言ではくくれない、壮大なスケールで、わけがわからず着地が見えないシュールな、なのにさらりと読めて、痛快なほど笑えて、しかも出てくる女の子がめちゃめちゃかわいいという、唯一無二のすごい作品群を残した”ギャグマンガ家”です。
彼の数多くの作品からひとつ選ぶとなると、ひりひりするような題材を扱っている告白の書『失踪日記』になりました。ご自身が仕事を放り出してホームレスとなったりアル中となった時期を描いた、胸が痛くなるような作品です。
ですが、シュールなギャグマンガとしても成立しており、スラップスティック感すら漂う。まさに吾妻先生が帰ってきたと感じさせた傑作でした。一番好きなシーンは、捜索願を出されていた吾妻先生が警察に見つけられ、ファンの警察官からサインをねだられ、『ななこSOS』(光文社)のななこを描く場面でしょうか。
私も、吾妻先生の雑誌取材に同行させていただく幸運に恵まれたことが一度だけあります。その際、眼の前で描いていただいたのがななこでした。現在も「岩下の新生姜ミュージアム」に展示しています。その際に、学生時代から大切に保管してきた幻の『ミャアちゃん官能写真集』(秋田書店)も持参し、ミャアちゃん(『スクラップ学園』(秋田書店)の主人公・猫山美亜)を描いていただき。家宝としています。

「自分のわかる人にわかればいいし、もっと言えば、誰にもさっぱりわけがわからなくても、”なんだか面白いな・なんとなくいいな”と思えればそれでもう最高じゃないか」という私の微妙な感覚の根本には、幼少以来の吾妻ひでお先生からの影響が大きいと思っています。







