魔の「第三艦橋」は何のためにある? 木村拓哉主演、実写版『ヤマト』BS放映
木村拓哉さん主演の実写映画『SPACE BATTLE SHIP ヤマト』が、BS12でテレビ放映されます。注目したいのはヤマトの艦底にある「第三艦橋」の運命です。これまで数々の試練を乗り越えてきた「第三艦橋」ですが、今回は「ヤマト」史上最大級の悲劇が待ち受けています。古代進と森雪との関係にも影響を与えることに……。
豪華キャストを配し、興収40億円を記録
「ちょ、待てよ!」
SFアニメの金字塔『宇宙戦艦ヤマト』が、木村拓哉さん主演映画として実写化されると2009年に発表された際、驚きのあまり、そんな言葉がつい口からこぼれた人もいたのではないでしょうか。
木村拓哉さんが主人公・古代進に扮した実写映画『SPACE BATTLE SHIP ヤマト』は、2010年12月に公開され、興収40億円のヒット作となりました。メガホンをとったのは、2023年11月に新作『ゴジラ』が公開される山崎貴監督です。得意とするVFXをふんだんに使い、まさかの実写化を実現しました。
切れ長の瞳が印象的なヒロイン・森雪には、黒木メイサさん。沖田艦長には山崎努さん、徳川機関長には西田敏行さん、佐渡先生には高島礼子さん、真田技術長には柳葉敏郎さん……という豪華な配役も話題となりました。
2023年2月12日(日)の19時から、BS12の「日曜アニメ劇場 特別編」では『SPACE BATTLE SHIP ヤマト』を放映します。本作の見どころを紹介するとともに、「ヤマト」ファンなら気になる「第三艦橋」にも触れてみたいと思います。
「第三艦橋」が森雪と古代進の関係を変えた?
実写版『ヤマト』のストーリーは、1974年にテレビ放映されたアニメシリーズの第1作『宇宙戦艦ヤマト』(日本テレビ系)をメインにしたものとなっています。西暦2199年。地球は謎の異星人ガミラスの攻撃を受け、滅亡寸前となっていました。古代進(木村拓哉)らは宇宙戦艦ヤマトに乗り込み、遥かイスカンダル星を目指して旅立ちます。イスカンダル星にある「放射能除去装置」を受け取ることが目的でした。
アニメシリーズでは、レーダー手および看護師だった森雪ですが、黒木メイサさん演じる森雪はよりアクティブな人物です。戦闘機コスモタイガーを駆る、エースパイロットとして活躍します。火星でのガミラスとの決戦に古代進が参加していなかったことを、本人に向かって責めるなど、気性も激しい設定となっています。
孤高のパイロットである森雪と、戦闘班の班長・古代進は乗艦当初は対立しあっていましたが、ある事件がきっかけで関係が大きく変わることになります。
そのきっかけとなったのが、「第三艦橋」でした。ヤマトの艦底部分にある「第三艦橋」ですが、ガミラスのステルス艦に狙われ、取りつかれてしまいます。そのまま放っておくと、ステルス艦は自爆し、ヤマト全体が消滅しかねない大ピンチに陥ります。
このとき、コスモタイガーで出撃していた森雪に対し、古代進は上官として非情な命令を下すことになります。九死に一生を得るヤマトでしたが、森雪は罪の意識に囚われてしまいます。苦しむ森雪を放っておくことができず、強く抱き締める古代進でした。
このシーンは、映画のラストにつながる重要な伏線となっています。