魔の「第三艦橋」は何のためにある? 木村拓哉主演、実写版『ヤマト』BS放映
死亡フラグが立つ「第三艦橋」勤務

そもそもヤマトの「第三艦橋」は、何のために存在するのでしょうか? 長年、疑問を感じてきたファンも少なくないに違いありません。実写版に限らず、「第三艦橋」は数々の悲劇に遭遇してきました。無防備な艦底にあるため、敵からいちばん狙われやすい構造となっています。
アニメシリーズ第1作で最高の盛り上がりを見せた、第22話「決戦!!七色星団の攻防戦!!」では、ドメル将軍の自爆攻撃によって、「第三艦橋」は消滅。多くのクルーが犠牲となりました。
続く第23話では、復旧したばかりの「第三艦橋」がまたしても悲惨な目に。ガミラス星の濃硫酸の海にヤマトが停泊していたため、「第三艦橋」は溶け落ちてしまいます。「第三艦橋」勤務は、あまりにも過酷な部署であることが分かります。
唯一「第三艦橋」がスポットライトを浴びたのは、やはりシリーズ第1作の第8話「決死のヤマト!!反射衛星砲撃破せよ!!」でした。この回、冥王星の海でヤマトは転覆しているように見せかけ、沖田艦長は「第三艦橋」に一時的に移動し、ここで指揮をとります。「第一艦橋」「第二艦橋」が使用できない際の、臨時の指揮所という役割があったようです。
劇場アニメ第2弾となった『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』(1978年)では、白兵戦部隊「空間騎兵隊」が惑星に降下する際のハッチとしても利用されました。
不屈の精神、雑草魂としてのシンボル
あまりにも過酷な歴史が続いた「第三艦橋」でしたが、リメイク版『宇宙戦艦ヤマト2199』(TBS系)では、真田技術長が新たに考案した波動防壁によって守られました。「第三艦橋」が最後まで無事だったことに、ホッとさせられました。波動防壁の要にもなった「第三艦橋」でした。
今回の実写版では、古代進とは以前から知り合いだった若い安藤(浅利陽介)が「第三艦橋」のクルーとして乗艦しています。ヤマトに乗艦できたことを誇らしげにしていた安藤だっただけに、不憫さを感じずにはいられません。
たびたびの悲運に見舞われてきた「第三艦橋」ですが、大破しても消滅しても、修復され、ヤマトの艦底部分を見守り続けてきました。
「雨ニモマケズ 風ニモマケズ」
ファンタジー小説『銀河鉄道の夜』の作者・宮沢賢治が書き残した詩の一節が、思い出されます。「第三艦橋」は、不屈の精神、雑草魂のようなものを感じさせます。「波動砲」や「ワープ航法」といった派手なシーンに注目が集まりがちな『宇宙戦艦ヤマト』ですが、縁の下を支える「第三艦橋」にもぜひ注目してみてください。
(長野辰次)





