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「隠れた名作」なファミコンRPG・3選 今はまさかのプレ値?

ファミコン時代のマイナーRPGに栄光あれ!

5人パーティと複数の敵が入り乱れるアクションバトルを、ファミコン時代に成し遂げた意欲作『ラディア戦記 黎明篇』
5人パーティと複数の敵が入り乱れるアクションバトルを、ファミコン時代に成し遂げた意欲作『ラディア戦記 黎明篇』

●『ダークロード』

 続いて紹介する『ダークロード』も一般的な広がりのあるフィールドマップがなく、拠点とする街とクエストを行き来するタイプのRPGです。ただしこちらは、原作のない完全オリジナル。そのため、知名度という点では『AD&D プールオブレイディアンス』よりも低いかもしれません。

『ダークロード』のパーティの構成は、最大で3人。本作はファミコン後期の1991年に発売されており、ファミコンでも4人パーティが珍しくない時代でした。ひとつの町に根を下ろし、フィールドもなく、『AD&D プールオブレイディアンス』のような多人数対多人数といった派手さも『ダークロード』にはありません。

 そのため、『ダークロード』があまり目立たず、地味な存在だったのは、一ファンとしても受け入れざるを得ないところ。ですが、知名度とゲームの面白さは必ずしも一致せず、本作も絶妙なゲーム性で筆者を虜(とりこ)としました。

 パーティの人数こそ少な目ですが、ステータスの伸びに影響する職業の数が多く、しかも転職も可能。また、一部の職業を続けると特殊なスキルを身につけることがあり、スキルはいずれも冒険に役立つため、自分好みのキャラクターを育成するための試行錯誤が悩ましくも楽しいひとときでした。

 また、本作に用意されたクエストは12個あり、いずれもクリアすると同じキャラクターでは再チャレンジできません。この限られた状況で、どのように仲間を強くし、ラスボスに立ち向かうのか。道中の試行錯誤が自分だけの冒険を形作り、この感覚を求めて何度クリアしても繰り返し遊んでしまいました。

 当時のファミコン仲間には全くの無名だった『ダークロード』は、現在の中古相場だとおおむね1万円代後半。箱なしのソフト単品ですら1万円を上回ることもあり、「Nintendo Switch Lite」の中古品も買える程度の額です。30年以上経った今、これだけの価値を持つとは、当時遊んでいたユーザーとしても驚くほかありません。

●『ラディア戦記 黎明篇』

 最後に紹介するのは、『ラディア戦記 黎明篇』。前述した2作品とはジャンルが少々異なり、こちらはアクションRPGです。また、フィールドもありストーリーも濃厚と、ゲーム性自体もかなり違いがあります。

 完全オリジナルの作品で、しかも夜明けや明け方を意味する「黎明」をタイトルに冠しながら、続編などはなく一作限りで終わった『ラディア戦記 黎明篇』。他の2作品と比べても、知名度はさらに低いかもしれません。

 ですが、本作は意欲的かつ刺激的で、プレイヤーを虜とする魅力に溢れていました。まず、ファミコン時代のアクションRPGながら、パーティ5人が入り乱れるリアルタイムアクションを実現。もちろんそこに敵も加わるので、多数対多数の乱戦を幾度となく繰り広げます。

 自由に動かせるのは主人公だけで、仲間たちはオートで行動。その動きに合わせて戦況を見極めつつ立ち回るバトルは、ファミコン時代には珍しく、その面白さには目から鱗が落ちた思いでした。

 また、プレイ意欲を高めてくれるストーリーも秀逸で、特に目を引いたのは盛り上がる場面に挿入されるムービーシーンです。もちろんムービーといっても、ファミコンなので映像が流れるわけではなく、キャラクターや乗り物、背景などはすべてドット絵で描写されています。

 ですが、オープニングで描かれる飛行体同士のチョイスに始まり、緻密に描かれた飛空艇の離陸とそれを追いかける主人公の疾走、封印の解除に挑む主人公やヒロインの端正なビジュアルなど、頻度こそ多くありませんが、重要な場面をさらに印象深くする演出に驚かされたものです。

 多人数が入り乱れるアクションバトルと、ストーリーを盛り上げるムービーシーンにより、ファミコンソフトでは唯一無二と言ってもいいほどの独自性を打ち立てた『ラディア戦記 黎明篇』。本作も、当時の知名度は推して知るべしですが、現在の中古相場は安くとも1万円代前半のプレミア価格です。

 なお、『ラディア戦記 黎明篇』を制作したテクモは、アクションゲームの『忍者龍剣伝』なども手がけています。気合いの入ったムービーシーンがあったのも、頷ける話です。ちなみにテクモは後に合併し、現在はコーエーテクモゲームスとして活躍しています。

* * *

 中古相場だけで見れば、今回挙げた3作品よりも高値のファミコンソフトはいくらでもあります。ですが桁違いに高いものは、希少性が高く評価されている場合が多く、ゲームの面白さは問われていないケースがほとんどです。

 今回のような1万円前後のプレミア価格帯は、当時あまり評価されず販売本数が少なかったものの、後に再評価されて価値が認められたものが多く、改めて関心を寄せる甲斐があります。今回紹介した3作品だけでなく、他のプレミアソフトも調べてみると、意外な作品の再評価に驚かされるかもしれませんよ。

(臥待)

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