少年ジャンプのギャグ漫画、ラストどうなった? 「実は知らない」3作の最終回
バトルやスポーツだけでなく、コメディやギャグまで網羅している「週刊少年ジャンプ」。特にギャグマンガはインパクトが強く、今でも「ネタ」を覚えているものですが、意外と最終回の記憶がありません。
あれ、いつの間に終わってた?
バトルマンガやスポーツマンガが目立つ「週刊少年ジャンプ」ですが、ギャグマンガも欠かせません。しかし、なぜか最終回の記憶がない、という人は多いのではないでしょうか。この記事では「いつの間にか終わっていた気がする」ジャンプギャグマンガを3本紹介します。
※この記事には『世紀末リーダー伝たけし!』『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん』『ピューと吹く!ジャガー』最終回の内容についての詳しい記載があります。
●気が付いたら連載がなくなっていたマンガ
1作目は島袋光年先生による『世紀末リーダー伝たけし!』。熱いハートと強靭な肉体を持つ主人公「たけし」がクラスの問題を解決したり、戦ったりするバトル・ギャグマンガです。「たけし」は小学1年生にして大人のような体毛が生えそろっており、口の周りには青ひげがびっしり。まるでおじさんのようなルックスですが、彼が活躍する姿は多くの読者の心をとらえました。作品としての評価も高く、2001年には小学館漫画賞を受賞しています。
ところが受賞の翌年にあたる2002年。なんと島袋先生は児童買春防止法違反で逮捕されてしまいます。「バーバリアン編」の途中である237話で突如としてジャンプの連載は打ち切りとなり、24巻まで発行された単行本も絶版になりました。たけしが諸悪の根源である安藤と戦い始めたタイミングだったため、リアルタイムのジャンプ読者にとっては想像できないような最終回だったと言えるでしょう。
しかし本作には本当の最終回が存在します。逮捕から2年後の2004年、島袋先生はスーパージャンプに復帰し『世紀末リーダー伝たけし! 完結編』を描き上げています。単行本も新たに『世紀末リーダー伝たけし!ワイド判』として刊行され、描き切れなかったバーバリアン編の結末、そして真の最終回が収録されています。
『世紀末リーダー伝たけし!ワイド判』13巻収録の244話では死闘の末にたけしがバーバリアンのリーダーである安藤を倒します。コピー能力で圧倒していた安藤ですが、勝負の決め手となったのは倒れた仲間からの声でした。視覚を失ったたけしは仲間の声に導かれ、安藤の攻撃を見切ったのです。ひとりぼっちの安藤に仲間をコピーすることは不可能でした。たけしはリーダーとして悪の道に走った安藤を止められなかったことを悔み、これでよかったのかと自問自答します。
そしてタイムマシン編を挟んで本当の最終回である247話は日常エピソードです。いつもの土手を歩くたけしと小次郎がたくさんのキャラクターと出会い、他愛もない話をして1日が終わります。そして夕日に向かって歩いていくふたりをバックに「完」。
本作の盛り上がりの最高潮はバーバリアン編のラストですが、いったんギャグマンガへ戻ってからしんみりと完結しました。
●この最終回、あってもなくても変わらないのでは?
2作目はうすた京介先生による『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん』です。本編がないのに外伝、というタイトルからしてエッジが効いているのですが、内容はさらにぶっ飛んでいます。特に「フーミン」や「げろしゃぶ」「オクレ兄さん!」などのキーワードを今でも覚えている人が多いのではないでしょうか。
幻の格闘技「セクシーコマンドー」を会得した奇人、マサルさんが「県立わかめ高校」でさまざまな事件を巻き起こす本作の最終回は、これまでにない不条理なシュールさに溢れています。
2学期が始まったばかりの9月、突如として「暗黒先生ジゴック」が県立わかめ高校の校長に就任します。いつものようにマサルとのバトル展開になるかと思いきや、ジゴックは自分で校庭に撒いたメソ(謎の生物)を強化しようと力むと、血管が切れたのか自滅してしまいました。そして唐突に「第二部・地獄校長編が始動、そして完結!」のキャッチコピーで完結。
この展開だったら2学期を描く必要はなかったのでは?という疑問とツッコミを入れたくなるような疾走感のある最終回でした。