キン肉マンは「ウルトラ兄弟」の8番目だったって本当? 設定が消された理由
連載での設定は?

しかし連載では設定が変わります。キン肉マンことキン肉スグルは、「キン肉星の王子」というプロフィールになり、第1話では大量の宇宙怪獣が攻めてくるなかで、地球防衛軍がウルトラ兄弟やアメリカのスーパーヒーローらが不在のため、仕方なく呼ばれる存在として登場しました。防衛軍長官によると、「ウルトラマンにあこがれ 地球を怪獣の手から まもろうとするが いつも負けてばっかしのドジなヒーロー」とのことです。
もともとはウルトラ兄弟の一員だったのが、「ただの憧れている人」にされてしまった理由は、コアなファンの定説によると、読切りの2作品に対してウルトラシリーズを手掛ける円谷プロからクレームが入ったからではないか、とされています。詳細は不明ですが、おそらく許可を取っていなかったのではないでしょうか。今となっては信じられませんが、昔は権利関係に少し緩いところがあったようです。
とはいえ「週刊少年ジャンプ」側も、単発作品ならまだしも、連載でこの設定を続けるのは難しいと判断できたでしょう。このような経緯で、キン肉マンが「ウルトラ兄弟8番目の弟」という設定は消えてしまいました。とはいえ、連載は新作品としてのスタートになるわけで、過去の読切りは別の作品と考えるべきかもしれません。
ウルトラ兄弟というビッグネームを借りての読切りは好評でしたが、後ろ盾を断ち切った連載は少々不安だったと思います。しかし、ドジでマヌケなヒーローのドタバタ劇とギャグセンスは痛快で読者の心をつかみました。ただ、このままでは限界がくるといった判断から物語性を持たせるため、第28話からプロレスを主体とした「第20回超人オリンピック編」をスタートさせ、バトルマンガとして人気に火が点いたのです。
そして、読切りの「オカマラスの巻」と「エラギラスの巻」は、コミックスに収録されず幻となっていました。ところが、1999年8月発売の「キン肉マン特盛」というコミックで日の目を見ます。この本では、読切のウルトラ兄弟の設定は「TVシリーズとは全く異なるもの」という断り書きがあった上で、「円谷プロダクションのご厚意により、あえて手を加えず当時のまま、掲載をさせていただきました」という内容が描かれています。
掲載当時、円谷プロからクレームがあったのかは不明ですが、今は一応「公認」のようです。ちなみに、「オカマラス」はゆでたまごの原作担当・嶋田先生が、小学5年生の時に考えた怪獣とのことでした。
45年前、ウルトラ兄弟の8人目という幻の設定でスタートしたマンガ『キン肉マン』は、復活するアニメシリーズではどんな「白熱シーン」と「ずっこけシーン」が待っているのか、開始が待ち遠しい限りです。
(石原久稔)







