仮面ライダーが負けて「ショッカー」が世界征服したら もしもの世界を考察
「ショッカーの敵はいなくなったぞバンザーイ!」「……で?」

まず「世界征服」の定義を、「政府機関が設けられているすべての国を制圧し、自治権を奪った」状態としましょう。「世界を征服」したのですから、「独裁国」どころか「独裁星」となり、基本的に敵国はなくなります。割り当てた地域に首領や幹部、怪人たちを配置し、「パワープレイ」で理想の世の中を築けばいいわけです。自分たちさえ良ければいい、という考えでなんでもやり放題です。歯向かう者は殺してしまえばいいですし、無抵抗の民は奴隷にします。人民のための政治なんて、考えないでしょう。
民のなかには、虐げられるくらいならショッカー側に入る人も大勢出てくるはずです。ひとまず命は保証され、一般人の上に立つことができます。条件が合えば、「改造人間」にされ強くなることも可能です。実は「下っ端の戦闘員」も改造を施されるので、まともな人間ではなくなります。何か功績を挙げれば地位も上がるでしょうが、でも基本的にはザコ扱いで待遇がいいわけがありません。
という風に、ショッカーは暴力で不要な人間を完全に排除し、敵はいなくなりました。ついに世界を「ショッカー色に染めたのです!
「ショッカーバンザーイ!」
世界各地に領土をもらった幹部たちは大満足でしょう。至福を肥やす毎日で、平和です。……しかしヒマです。やることがありません。幹部たちにもそれぞれに「理想の国」のビジョンがあるはずなので、他の統治区域との違いに気付き、欲が出て不満が爆発して、ついに領土の奪い合いがはじまります。内紛です。法や秩序などありませんから、汚い手で殺し合いをします。怪人は内紛の「兵器」になります。
大変なのは戦闘員です。奴隷の人間が少ないので、戦闘、労働に駆り出されるでしょう。戦闘員が奴隷扱いになれば、「何のためにショッカーに入ったのか」と不満がたまり、暴動も起きるかもしれません。しかし、個々人は弱いので、殺されておしまいです。戦闘員の数が減れば減るほど、国の勢力は弱まり衰退します。このように、ショッカーは世界征服を果たした後、内輪もめが絶えなくなるでしょう。
幹部たちはもう人間ではないので、家族はいないはずです。子孫を残して代々国を継がせることができないとすれば、「自分が死ぬまで気持ちよければいい」ことになります。前述の『オーズ・電王 オールライダー レッツゴー仮面ライダー』のなかで、ある幹部が「全人類抹殺」を目標に掲げていますが、人類をすべて殺せば奴隷がいなくなり、食べ物の生産やライフライン供給など、自力の戦闘員だけではとても世のなかを回せない事態に陥って、結果的に自分の首を絞めるだけなのです。幹部のくせに無能です。
ここまで考察すると、重要なポイントが見えてきました。ショッカーの目的は「世界征服」ですが、達成した瞬間に燃え尽きて終わるのです。本来なら、大事なのは「世界征服を果たしたあと、どうしていきたいのか?」という目的なのですが、これがわかりません。
世界征服後は安泰かと思いきや、今度は仲間を相手に醜い争いを強いられることになるはずです。もし、内輪もめもなく平和なら、血の気が多い幹部たちは毎日何もやることなく退屈に過ごすだけ。もしかすると、「また仮面ライダーと戦いてーなー」と思うかもしれません。
ということで「ショッカーが世界征服したらどうなる?」という考察の結論は、「ショッカーが世界征服しても近い将来必ず滅びる」です。これは個人の考察ですし正解もありません。
他にも、「もしバルタン星人が地球侵略に成功したらどうなる?」「『マジンガーZ』のドクターヘルが日本を制圧したらそのあとはどうする?」などいろんな妄想が浮かんできますが、あなたならどのような展開を想像しますか?
(石原久稔)

