子供たちを悩ませた、アニメの「裏番組」対決 人気ロボットアニメどうしが「激突」?
ロボットアニメVS魔法少女アニメの対決も

裏番組の争いは1970年代から80年代にかけては珍しいものではありませんでしたが、1983年にもアニメの歴史に刻まれる名作が激突した事例がありました。それは金曜夕方の『装甲騎兵ボトムズ』と『魔法の天使クリィミーマミ』です。
『装甲騎兵ボトムズ』は『ダグラム』同様に高橋良輔監督が手掛けたロボットアニメで、不死の異能を持つ男、キリコ・キュービィが仲間たちとともに送る闘いの日々を描いた作品です。本作に登場するロボット、アーマードトルーパー(以下、AT)は基本的に使い捨ての兵器で、キリコが愛機「スコープドッグ」を次々に乗り捨てていく光景や、ローラーダッシュを用いた斬新な戦闘シーンは、現代のアニメにも大きな影響を与えています。
『魔法の天使クリィミーマミ』はスタジオぴえろが制作した魔法少女アニメで、当時としては初めて芸能界を舞台としており、主人公の森沢優が魔法の力でクリィミーマミに変身し、アイドルとして活躍する姿を描きました。
優が日常生活を送りつつ、「魔法」という虚構で芸能界のような現実味のある世界を生きる姿は、当時のアイドルブームも相まって、多くの少年少女の心をとらえた傑作として今なお人気の高い作品です。現代では数多く制作されている、アイドルを主人公としたアニメの先駆けともいえるでしょう。
両番組には明確な違いがあります。言うまでもなく、『ボトムズ』は男の子向け、『クリィミーマミ』は女の子向けという点です。ではなぜ、裏番組として激突することになったのか。その理由としては、当時は現代と比較すると一家庭当たりの子供の数が多く、兄弟姉妹同士のチャンネル争いが勃発しやすかった点が挙げられます。
要するに、姉がいる家庭の男の子は『ボトムズ』を見るのが極めて困難だったのです。弟が姉とのチャンネル争いに勝てるわけがないのです。
現代のようにテレビだけでなくパソコンやスマホで配信を見ることができるようになったのは、アニメの社会的な人気につながる大きな要因となっています。名作は大人になってから見てもやはり面白いものですが、子供のころに見ていたら、どれだけの感動を得られたのか? 今となっては知ることすらできないのは、少々寂しい気がします。
(ゆうむら)






