平日夕方『ガンダム』再放送に手を焼いたアニメ作品たち　続編『Z』まで5回も実施

『キャンディ・キャンディ』とセットで放送

　初代『機動戦士ガンダム』は本放送こそ人気が低く打ち切られたものの、アニメ雑誌の熱意ある特集記事や中高生以上のファンの嘆願により再放送が実現しました。その後は繰り返し放送され続け、当時の子供たちに強烈な印象を残しました。

　今の40代から50代の方のなかには、子供のころに何度も『機動戦士ガンダム』の再放送を見た方も多いはずですが、実のところ、何回くらい再放送が行われたのでしょうか。当時の新聞から、再放送についての情報を掘り起こしてみました。

※資料として使用したのは朝日新聞関東版のため、関東地方の情報となることをご承知おきください。また、放送枠は少年向け番組の再放送枠として最も有力だった17:30を中心としています。

　記念すべき1回目の再放送は、1981年の2月16日でした。本放送終了から約1年が経過した時期となります。17時からは『キャンディ・キャンディ』が放送されていますが、両番組はこの後もしばしば同じタイミングで再放送される「名コンビ」とも呼べる関係です。

　このまま放送され続けるのかと思いきや、3月23日からしばらくの間、17時から『COSMOS・宇宙』という番組が放送されており、『キャンディ』と『ガンダム』は16時からの放送枠に移動しています。外で遊んで17時に間に合うように帰ってきたら、もう放送が終わっていて悔しい思いをした方もいるのではないでしょうか。

　4月9日まではこの体制で放送されており、以降は17時枠に戻ったことが確認できました。17日に最終回「脱出」が放送され、最初の再放送はこれで終了となりました。なお、3月14日に劇場版『機動戦士ガンダム』が封切られているため、タイミングを合わせた展開だったと思われます。

　なお、同時間帯の他のTV局ですが、『タイガーマスク』やTVドラマ『刑事くん』の再放送が行われていました。ただし金曜日のみ日本テレビで『お笑いマンガ道場』という、当時人気の漫画大喜利番組が放送されており、おそらく『ガンダム』再放送の影響を直接受けていたのではないかと思われます。

　2回目の再放送がスタートしたのは、同じ1981年の11月3日、今度は『魔女っ娘メグ』とのコンビです。終了したのは年も明けて1982年の1月18日、『メグ』は先に終了しており、このときは『花の子ルンルン』が放送されていました。