ちょっと待て! のび太の「お嫁さん」はいつからジャイ子からしずかに変わったのか? 原作を徹底検証
ドラえもんにはいくつもの「第1話」が存在した

「小学三年生」版の第1話でジャイ子の部分が説明しきれなかったせいか、第2話「愛妻ジャイ子!?」では第1話で割愛された部分を中心に物語が展開します。第2話の2ページ目には「野比のび太の子そん」と題し、理想的な家系図でしずかが妻になり、現状の家系図ではジャイ子が妻になっています。
ジャイ子の家系では「びんぼう人の子」とし、しずかの家系では「金持ちの子」としてセワシが系図の末端にいます。この時点ですでにしずか(オリジナル版ではしずこになっています)が理想のお嫁さん候補として登場していますが、実際に結婚することは確定していません。1970年の1月号のそれぞれのドラえもんの第1話は『ドラえもん』第0巻で掲載されています。
結婚相手の他にも、のび太の仕事に関する未来も修正されるなど、『ドラえもん』にはさまざまなパラレルワールドが存在します。ドラえもんがタイムマシンに乗ってたびたび歴史を書きかえているのでしょうか。
1970年「小学四年生」の1月号から連載が始まったバージョンは1月、2月、3月号とわずか3話で連載が終了します。続いて「小学三年生」は「小学四年生」に繰り上がった1年間で最終回を迎えました。最終回「ドラえもん未来へ帰る」では、時間旅行規制法が制定され、時間旅行が禁止となりドラえもんはセワシに連れられ未来に帰ります。
ということで、1970年1月時点の「小学四年生」と「小学三年生」は、ジャイ子が未来の嫁になる世界線のまま終了するのです。
変化が起きるのは、1970年1月時点で「小学一年生」だったバージョンからです。「小学四年生」1972年2月号の「のび太のおよめさん」で、ついに未来の嫁はしずかだとわかります。連載開始時点でジャイ子が嫁になる設定が描かれなかった世代なので、急にしずかが妻になっても不自然ではありません。
当時『ドラえもん』の連載は「小学四年生」までで、3月号で二度目の最終回を迎えます。タイトルは「ドラえもんがいなくなっちゃう?」というもので、なにかにつけてドラえもんに依存するのび太に自立心を持たせるため、ドラえもんは未来に帰ります。
のび太はドラえもんを心配させまいと、ひとりで転びながらも自転車を練習し、ドラえもんは未来からのび太の様子を見守るという結末でした。長期連載上での最終回前の1話前だったので、未来が変わってしずかと結婚できたことを読者に伝える目的があったのかもしれません。




