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『機動戦士ガンダム』なぜ連邦はジオン本国を直接攻撃しないのか そのもっともな理由

アニメ『機動戦士ガンダム』の地球連邦軍は、スペースコロニー国家であるジオン公国を直接攻撃しません。移動できず、敵の攻撃に脆弱なコロニー国家を攻撃すればかなり有利になりそうですが、なせ直接攻撃しないのでしょうか。

技術面などでは可能であろう「本国」への直接攻撃、なぜやらない?

バンダイ「機動戦士ガンダム ジオン公国軍マーク スポーツシリーズ ドライTシャツ」 (C)創通・サンライズ
バンダイ「機動戦士ガンダム ジオン公国軍マーク スポーツシリーズ ドライTシャツ」 (C)創通・サンライズ

 アニメ『機動戦士ガンダム』の物語は、円筒状の巨大な建造物「スペースコロニー」内で多数の人間が生活する、人類が宇宙に暮らす世界を舞台に描かれます。その中で、「地球連邦軍」に対して独立戦争を始めた「ジオン公国軍」は、このスペースコロニーを数十基、束ねた「サイド」のうち、地球から見て月の裏側にある「サイド3」を拠点とする宇宙国家です。

 開戦当初にジオン軍は地球連邦軍へ大打撃を与え、スペースコロニーを弾頭とした地上への「コロニー落とし」でも、地球連邦側は大きな被害を受けます。それだけでなく、連邦の勢力圏だったサイド1、2、4、5は壊滅し、地球を挟んで月と反対側に位置する「ルナツー」以外の宇宙の拠点も失いました。

 この大被害を受け、地球連邦はジオンと戦時条約である「南極条約」を締結します。「南極条約」では、核兵器や生物化学兵器、隕石やスペースコロニーなどの質量爆弾も禁止されました。

 それ以降、連邦は地球に降下したジオンを撃退し、宇宙艦隊を打ち上げて、宇宙要塞「ソロモン」や、「ア・バオア・クー」を攻略します。

 ここで不思議なのは、戦争が終結するまでに、連邦軍はジオン本国であるサイド3を直接、攻撃しようとしないことです。

 月の裏とはいえ、サイド3のスペースコロニーの位置は判明しており、かつ移動するわけではありません。「南極条約」があっても、スペースコロニーへの直接攻撃は禁止されていませんし。

 スペースコロニーは、敵の攻撃に対して脆弱です。攻撃すれば空気が流出して人が住めないことは、ジオン軍が証明しています。実際、ジオン軍は『機動戦士ガンダム0080』では、核兵器使用による条約違反を承知で、サイド6のコロニーを破壊しようとしています。

 目標として動くわけではなく、かつ超巨大ですから、ミノフスキー粒子で妨害されていても、連邦宇宙艦隊の遠距離砲撃が数発でも命中する可能性は否定できません。そうなったら、ジオンの戦時生産や国民は甚大な打撃を受けたと考えられます。

 非戦闘員を多数殺戮することになるので、人道上の問題はありますが、南極条約には「スペースコロニーへの直接攻撃禁止」という項目はありませんし、攻撃の大義名分も「民間人多数を殺害したジオンのコロニー落としに対する報復」と強弁し得たでしょう。連邦軍の上層部が、理知的なレビルやゴップではなく、後のティターンズのような過激思想の軍人なら、躊躇いなく行われたとも考えられます。

 攻撃できない理由を考えてみましょう。艦艇の航続力でしょうか。サイド3は月の裏側に位置する、地球から最も遠いサイドとはいえ、1970年代のアポロ宇宙船でも、地球から3日程度の距離です。

 宇宙世紀の艦艇がアポロ宇宙船と同じ巡航速度とは思えませんが、仮に地球から月まで3日かかったとして、一番遠いルナツーからを想定しても、片道1週間程度の距離です。アムロたちガンダムチームの母艦である「ホワイトベース」が長期航海を行い得たことを考えても、往復2週間程度の戦闘行動は可能だったと思われます(針路を変えないなら、推進剤は使わないわけですし)。

 途中で宇宙艦隊が迎撃されて、撃破される公算が高いのでしょうか。ジオン側が哨戒線を何重にも構築していないとは思えませんが、宇宙はとてつもなく広いわけですし、「南極条約」では艦艇やMSの偽装は禁じられていません。ミノフスキー粒子が濃い宙域を選び、たとえば隕石に見せかけて近づくなど、サイド3に近づく方法はありそうにも思えます。

 つまり「純軍事的にできない」のではなく、政治的に「やりたくない」作戦なのでしょう。

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