『フリーレン』勇者ヒンメルは偽物だった? 本物の勇者と魔王はこれから登場するのか
伝承が正しいとしたら?

伝承を文字通りの意味で解釈すれば、この問題には別の答えが導き出せるでしょう。それは世界の危機がまだ訪れていないから、本物の勇者も現れていない、という解釈です。魔族の王が人間を理解しようと引き起こした戦争は、世界の危機ではなかったということです。だから魔王を討伐するのに「本物の勇者」が必要とされることはなく、偽物の勇者と勇者の剣のレプリカでも十分だったのでしょう。
これは「女神さま」の視点からすると、勇者ヒンメルが文字通り「偽物の勇者」だったことを意味します。フリーレンの回想のなかで「旅立ちの時に王様が銅貨10枚しかくれなかった、ケチだ」という愚痴に対し、ハイターが「無理もありませんよ。今まで多くの勇者が旅立ち、魔王の討伐に失敗してきたのですから」となだめています。この会話からは勇者という称号に特別な資格が必要ないということが分かります。
勇者とは自称可能、あるいは周囲の人びとがつける尊称なのでしょう。『ドラゴンクエスト1』から『ドラクエ3』の勇者のように、ロトの血を受け継いだ特別な個人だけが勇者と呼ばれるわけではないようです。そういえば4作目以降の『ドラゴンクエスト』も勇者も定義がはっきりせず、一般人や漁師の子が勇者になりました。
●本当の世界の危機がやってくる!?
伝承が真実だったとすれば、ヒンメルはまぎれもない英雄ですが、伝承が示すところの勇者ではなかったということになります。その場合、これから「本当の世界の危機」がやってきて、剣を引き抜くものが現れるのでしょう。
作中では時間に関する伏線が多く見られます。フリーレンの師匠であるフランメが予言めいた言葉を残したり、未来を見通す魔族が登場したり、女神の魔法で時間転移したりしたこともありました。そして100年ほどでこの星を覆い尽くすという「終極の聖女トート」の呪いも気になるところです。伝承が近い未来を予言している可能性は極めて高いと思われます。
もしかしたら未来にヒンメルの思いを継ぐ勇者が現れ、フリーレンと一緒に世界を救う旅をする、そんな日がやってくるかも知れません。その時はフェルンとシュタルクの子供が登場するかもしれないですね。
(レトロ@長谷部 耕平)




