『フリーレン』勇者ヒンメルは偽物だった? 本物の勇者と魔王はこれから登場するのか
魔王を討伐できたヒンメルが、勇者の剣を引き抜けなかったのはなぜでしょうか。もしかしたら勇者の剣は魔王を倒すために女神が用意したものではなかったかも知れません。剣の里の伝承から世界の危機と本当の勇者について考えてみます。
ほとんど完璧な勇者として描かれているヒンメル

魔王を倒し世界に平和をもたらした勇者ヒンメルとその一行。しかしひとつ不安が残ります。ヒンメルが倒した魔王は本当に「世界の危機」だったのでしょうか。女神の伝説と勇者の剣について振り返ります。
●勇者の剣を引き抜けなかったヒンメル
魔王討伐の旅の途中、ヒンメルたちは剣の里に立ち寄ります。ここには女神様が授けたとされる勇者の剣が石に突き刺さっており、剣を抜こうと多くの挑戦者が現れたようです。ヒンメルもまた剣を引き抜こうとしましたが失敗します。「今回も本物の勇者ではありませんでしたか」と里長を失望させる結果に終わりました。
のちに魔王を討伐できたヒンメルが、勇者の剣を引き抜けなかった理由については、今のところ一切語られていません。魔王を倒すには勇者の剣が必要だとみんなが勝手に思い込んでいただけなのでしょう。だからヒンメルが勇者の剣を引きぬけなかったという事実が、英雄らしくないという理由で改ざんされたのかもしれません。
●勇者の剣は本物なのか?
勇者の剣がなくても魔王を討伐できたということは、本来的に両者の間には何の関係もなかったということです。そこで疑われるのは「勇者の剣を引き抜けるのは、この世界を滅ぼす大いなる災いを打ち払う勇者のみ」という伝承の真実です。
聖域の存在や勇者の剣を破壊しようとする魔物が集まってくることから、勇者の剣が女神さまと何らかの関係があることは間違いないでしょう。では伝承自体が誤って語り継がれてきたのでしょうか。
東南アジアを中心に信仰されている上座部(テーラワーダ)仏教や文字を持たない民族では、何百年にもわたって膨大な量の教えが口伝で語り継がれています。テキストがないからといって、その内容が怪しいものとは限りません。特に剣の里の伝承は極めて短いため、誤った内容が伝えられた可能性はかなり低いと思われます。




