「ありえない」「コスプレ大会」の非難から大逆転! マンガ実写化に成功したドラマとは?
10シリーズも制作された実写化大成功作品とは?
●『孤独のグルメ』

久住昌之先生原作、谷口ジロー先生作画によるグルメマンガ『孤独のグルメ』は、2012年に放送された第1シーズンから、実に10シリーズを数える大ヒット作品です。大晦日に放送されるスペシャルドラマは、もはや恒例となっています。本作の井之頭五郎役で連続ドラマ初主演となった、松重豊さんの代表作としても知られるようになりました。
原作は2巻しかありませんが、原作の雰囲気を知り抜いたスタッフが独自に店を選ぶことで、原作にないオリジナルエピソードを制作し続けられるようになりました。原作への理解度の高さが、成功につながっていると言えるでしょう。
ほかにも、小林薫さんが主演した『深夜食堂』、西島秀俊さんと内野聖陽さんが主演して映画化もされた『きのう何食べた?』など、グルメマンガの実写化ドラマは成功例が多いように感じます。
●『幽☆遊☆白書』
これまで数多くのマンガが実写化されてきましたが、学園マンガ、グルメマンガなどは成功例が多い一方、アクションやファンタジーをテーマにしたマンガは実写化と相性が悪いと考えられてきました。日本の映画、ドラマの予算や規模では、原作マンガのアクションやファンタジーの世界観を再現しきれないことが多かったからです。
そんななか、新しい流れを切り開いたのが、2023年にNetflixが制作したドラマ『幽☆遊☆白書』です。冨樫義博先生による原作マンガは、霊界を舞台に主人公たちがアクションを繰り広げるもので、1992年にアニメ化もされて大ヒットしましたが、実写化は難しいと思われてきました。Netflixが実写化を発表した際も、「ありえない」「コスプレ大会」などと、原作ファンを中心に非難が巻き起こりました。
ところが、潤沢な予算と5年の歳月をかけて完成した作品は、Netflix週間グローバルTOP10のテレビ・非英語部門で1位を獲得するなど、世界的に高い評価を得ています。アクションの激しさとVFXの完成度の高さ、北村匠海さんや綾野剛さんら主演陣の熱演などが成功要因として考えられます。話数が5話と短かったことに対する批判などもありましたが、おおむね成功作と考えていいでしょう。
高い人気を誇る原作マンガほど、実写化は難しくなります。それでも実写化にトライして、成功を収める作品も皆無ではないのもまた事実です。原作への理解度とリスペクト、イメージに合ったキャスティング、巧みな脚本と的確な演出、潤沢な予算と規模などが噛み合って、はじめてマンガの実写化は成功するのです。原作者はもとより、原作ファンにとって、原作マンガはとても大切でかけがえのないもの。実写化に挑戦するなら、そのことを肝に銘じた上で行ってほしいものです。
(大山くまお)





