60年以上の歴史を誇る、日本の「巨大ロボットもの」 2024年は当たり年と言える理由
「巨大ロボットもの」は60年以上の歴史を誇る日本独自の創作ジャンルです。巨大ロボットと共に育った人は多く、特にお気に入りの作品があるという人も多いことでしょう。この記事では2024年の「巨大ロボットもの」作品を巡る動きについて紹介します。
全ては鉄人28号からはじまった
1956年に横山光輝氏による『鉄人28号』が発表されてから、日本では巨大ロボットが活躍する作品が作り続けられ、ひとつの作品ジャンルを形成しています。これは世界でも他に類がなく、日本特有の現象だといえるでしょう。そんな巨大ロボットを愛する人にとって2024年は特別な年といえるかもしれません。この記事では注目度の高いイベントや作品について紹介します。
●展示会が盛んに開催される!
特定のアニメやマンガのリアルイベントは珍しいものではありませんが、巨大ロボットに特化したイベントが開催されるのはまれです。
横須賀美術館では2024年2月10日から4月7日まで「日本の巨大ロボット群像 ―巨大ロボットアニメ、そのデザインと映像表現―」が開催されました。この展示会では、巨大ロボットジャンルの元祖である『鉄人28号』から現在に至るまで7章に分けて、巨大ロボットの発展という切り口で日本の巨大ロボット史が紹介されました。
実写ドラマ版『鉄人28号』の撮影に使われたガジェットが展示されていたり、「巨大ロボット」史を俯瞰したりできる貴重な機会です。会場で販売されている図録も、資料性が高いものでした。今後、香川県高松市美術館にて2024年4月20日(土)~6月16日(日)、京都文化博物館にて2024年7月6日(土)~9月1日(日)の日程で巡回展が開催されます。また、2025年には愛知会場での開催が予定されています。
2024年2月10日から3月24日まで、「角川武蔵野ミュージアム」で開催された「DESIGNS 永野護デザイン展」も見ごたえあるものでした。4月27日(土)~5月26日(日)の期間、名古屋市「テレピアホール」でも開催されます。こちらは「日本の巨大ロボット群像展」とは違って、メカデザイナー(作家)である永野護氏の個展です。
永野氏のメカデザインは「ロボット群像展」でもひとつの章(第6章 ロボットの「内部メカ」1980年代以降の大発展)をほとんど丸ごと割いて特集されているほど新規性が高く、熱烈なファンがいることで知られています。『重戦記エルガイム』から『The Five Star Stories』まで380点が展示されており、ファン垂涎の展示会だといえるでしょう。