「異世界モノにはもう飽きた」40代以上にオススメな2024年秋「上質」アニメ3選

秋の夜長にハイクオリティな「物語」を

　2024年10月スタートのアニメの中には、40代以上の方にお勧めできる見ごたえと学びのある作品が複数存在しています。今回はそれらの作品の中から、特に良質な物語を3つ、挙げさせていただきます。

●人生を再生してゆく物語　『妻、小学生になる。』

『妻、小学生になる。』は、村田椰融（やゆう）先生が「週刊漫画TIMES」（芳文社）で連載した作品を原作としたアニメです。

　10年前、愛する妻を亡くした「新島圭介（にいじま　けいすけ）」とその娘の「麻衣（まい）」は、失意のあまり無味乾燥な暮らしを続けていました。しかしある日、突然現れた小学生の女の子が「ただいま」と挨拶し、「私は新島貴恵（たかえ）！　あんたの妻！　麻衣の母親！」と言い放ち、ふたりは戸惑います。

　貴恵は死の直後、輪廻転生により「白石万理華（しらいし　まりか）」として再びこの世に生を受けていて、たまたま新島家の近くを通り過ぎた際に前世の記憶が戻ったのです。

　小学生の姿ながら、妻／母との再会を圭介と麻衣は喜び、かつてのような明るい生活を取り戻します。しかし貴恵には本来の家族があり、小学生としての生活もあるため絶えず一緒にいられるわけではありません。それでも本来はありえない再会を果たした圭介たちは、二度と出来なかったはずの会話を、二度と口にできないはずの手料理を味わい、喜び、涙するのでした。

　しかしながら中年男性である圭介と小学生女子の貴恵がともに行動すれば、通報される可能性が高いため思うようにはいきません。さらには圭介に恋する女子社員の登場や麻衣の就職問題、貴恵（万理華）に告白する同級生が現れ、加えて貴恵が母親からはネグレクトを受けていることが発覚するなど、3人を悩ませる問題が次々と沸き起こります。

　果たして3人は、再び家族として生きることができるのでしょうか。そして、他人として生まれ変わった家族の絆が蘇るのは、本当に正しいことなのでしょうか。

『妻、小学生になる』は、下を向き続けていた人間が、再び前を向くために必要なこととは何なのかを、教えてくれる物語です。2024年10月6日（日）よりTOKYO MXほかにて放送開始になります。