『釣りキチ三平』が教えてくれたこと 子供に見せたら釣り具一式揃えるハメに?
2020年5月11日(月)より、CSファミリー劇場にてTVアニメ『釣りキチ三平』HDリマスター版が放送開始されました。原作は矢口高雄氏による同名のマンガ作品で、1980年に初のTVアニメが放送されています。当時は子供たちの間で釣りブームが起こるほどの人気に。
『釣りキチ三平』を見て釣りを始めた
2020年5月11日(月)からファミリー劇場で毎週月~木6時半より、TVアニメ『釣りキチ三平』HDリマスター版が放送されています。1980年から82年にかけてフジテレビで放送された『釣りキチ三平』は、当時の子供たちの間に釣りブームを起こすほどの人気作で、巨大な魚との激闘やワカサギのような小さな魚との繊細な勝負を紹介するだけではなく、今は見ることができないガチンコ漁などさまざまな釣り・漁法などを伝える文化の伝道者としても大きな役割を果たしました。『釣りキチ三平』を見て釣りを始め、今でも年に数回釣りに出かけているライターの早川清一朗さんが思い出を語ります。
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筆者は釣りが好きで、年に数回は釣り仲間と一緒に竿を出しに出かけます。とはいえ腕は良くないので、釣ろうと思って釣れるのは、今も昔もハゼくらいです。
そんな筆者が釣りを始めたきっかけが、子供の頃に見たTVアニメ『釣りキチ三平』です。天才釣り少年である主人公の三平が、毎回さまざまな場所でさまざまな仕掛けを使い、多種多様な魚を緊迫感溢れる勝負の末に釣りあげるストーリーは、まだ幼い筆者にとって「ああ、世の中にはこんな魚がいるのか。こんな釣り方があるのか」と、魚や釣りについて、いろいろなことを教えてくれる教科書のような存在でした。
鮎の友釣りに簗(やな)漁、カツオの一本釣り、カジカの夜突き、ヘラブナ釣り、氷に穴を開けてのワカサギ釣り。ムツゴロウのムツカケ、投網、トローリング、ルアー釣り。そして釣った魚はきちんと食べる。すべて、三平が教えてくれたのです。
当然、印象に残っている話はたくさんありますが、なかでも特に思い出深いのがガッチン漁(ガチンコ漁)です。アニメでは72話「ガッチンガン鉄」に登場する、ハンマーで水中の石を叩き、水の中で寝ている魚を気絶させて採る漁法です。この話を見た当時の筆者は「そんな方法があるのか!」と驚いて、近所の川でトンカチを使って試してみましたが、魚が浮かび上がるどころか手が痛くなってすぐにやめてしまったことを覚えています。現代の日本ではほとんどの河川では禁止されているそうなので、リベンジできないのが少々残念です。