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『ガンダム』シャアが転生したらマスター・アジアだった説 実はこんなにも共通点が!

「異世界転生」なるギミックがひとつのジャンルとなって久しいなか、『ガンダム』シリーズのシャアと『Gガン』のマスター・アジアが実は似すぎているのではないかという、「どこが?」と思った人にこそ読んでほしいお話です。

赤い彗星と東方不敗、実は根っこは同じかもしれない理由とは

「赤い彗星のシャア」と別人とは思えないほど類似点が多い東方不敗マスター・アジア。「機動武闘伝Gガンダム 石破天驚 Blu-ray Box」ビジュアル (バンダイナムコフィルムワークス)
「赤い彗星のシャア」と別人とは思えないほど類似点が多い東方不敗マスター・アジア。「機動武闘伝Gガンダム 石破天驚 Blu-ray Box」ビジュアル (バンダイナムコフィルムワークス)

「ガンダム」シリーズが何でもありとなったのは、アニメ『機動武闘伝Gガンダム』が転機といわれています。なかでも大きなウェイトを占めるのが、武術の達人「東方不敗マスター・アジア」でしょう。生身でMSを軽々と撃破したとき、「ガンダムの常識」をもぶち壊したのです。

 シリーズにおける「主人公のライバルキャラ」としては、「シャア・アズナブル」が大先輩になります。スマートなイケメンと初老の熱血漢、一見すれば真逆にも思えますが、実は「赤い彗星が転生したら東方不敗だった」といいたくなるほど数々の共通点があるのです。

 たとえばふたりとも、間合いを詰めての格闘戦を得意としています。シャアは序盤での「ガンダム」との戦いでも「ザク」のキックにより有効打を与えていました。ブースターで加速をつけたザクの「質量攻撃」は、あらゆる強敵に有効でしょう。

『Gガンダム』世界での「ガンダムファイト」は、「頭部を破壊された者は失格」ルールのため、格闘に寄せざるを得ません。もっともマスター・アジアは「生身」に強い執着があり、「(ガンダムから)出てこいドモン! そう、今さらなんでメカに頼ろうものかー!」と、全ガンダム作品を否定する名言を残しています。

 またマスター・アジアは策略も得意です。主人公にして弟子の「ドモン・カッシュ」に対し「兵を用いるには九通りの地勢と、天地風水の流れあり」と、「東方不敗・八卦の陣」により自身に有利な場所へ導いたこともあります。シャアの策略については言わずもがなでしょう。

 そうしたベテランの余裕からか、両者とも若者の成長に喜びを見出しています。シャアは「さらにできるようになったな、ガンダム!」と喜び、マスター・アジアも「獅子は己の子を谷底に突き落とし、這い上がってきたものだけを我が子とする」と、ドモンに強敵をぶつけていました。

 さらに、どちらも負けず嫌いです。シャアは「できるようになったな」と言い放ったとき、MSの腕をガンダムにぶった切られていました。マスター・アジアも叩きのめされた後に「わしの名を忘れたか? 未だ負けを知らぬは東方不敗よォ!」とノーカン扱いしようとしています。

 そしてシャアとマスター・アジア、最大の共通点は「過激なエコ思想」です。

 映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』にて、シャアは、小惑星を改造した宇宙要塞アクシズを地球に落とすにあたり「地球に住む者は自分たちのことしか考えていない! だから抹殺すると宣言した!」との考えを明かしています。

 かたやマスター・アジアも「デビルガンダム」により人類を地上から消し去る意図を「この地球を自然の溢れる、もとの姿に戻してみせるとな」と美しい言葉で説明しています。

 ともに人類を消すという過激な言葉を使ってはいますが、真の目的は根絶やしではなく「人類を地上から追い出すこと」という点も相通じています。「最強の力を持ったデビルガンダムさえいれば、もう誰も地球へ降りられなくなる」というマスター・アジア、「人間は宇宙で自立しなければ、地球は、水の惑星ではなくなるのだ」というシャア(『機動戦士Zガンダム』第37話より)、ということで、それでも居座る者を粛正するにすぎません。

 ルックスと言動だけ見れば、シャアとマスター・アジアは水と油のようです。が、どちらも闘争に生きがいを見出す武人だけに、同一人物とはいかずとも、酒を酌み交わせば話が盛り上がるかもしれません。

(多根清史)

【画像】「えっ…生首?」←いえ「超級覇王電影弾」です 王者の風吹く東方不敗扇風機

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