ジブリの「絵コンテ」読んだら衝撃 アシタカ、シータ、トトロの「本音」が判明か
多くの人びとに愛されているスタジオジブリの作品には、絵コンテを読むとさらに楽しめそうな、驚きの事実がたくさん隠されています。
早すぎる? シータとパズーのロマンス

スタジオジブリが生み出したアニメ映画には、作中で登場しなかった設定が監督の描いた「絵コンテ」に隠されていることがあります。はっきりとは描写されていなかった事実を知ることで、作品やキャラクターの見え方も変わるかもしれません。
1986年に公開された『天空の城ラピュタ』では、主人公の「パズー」と「シータ」が初めて会話するシーンの絵コンテに驚きの情報が書かれています。シータの持つ「飛行石」の力を試そうとしたパズーが石を持って屋根から飛び降りますが、飛行石が力を発揮しなかったために落下してしまいました。それを助けようとしたシータも、誤ってパズーの上に落ちます。
「ごめん、いたかった?」と尋ねるシータに、パズーは「ううん ぼくの頭は親方のゲンコツより固いんだ」と平気そうに答え、シータは笑顔を見せていました。『スタジオジブリ絵コンテ全集 2 天空の城ラピュタ』には、パズーのおっちょこちょいな一面が見えるこのシーンで、「シータ、パズーがすきになる」と書かれています。
出会った直後にパズーを好きになったシータに驚かされますが、その感情が「LIKE」なのか「LOVE」なのかは不明で、まだこの時点では「人として好意的に見た」という意味かもしれません。
また、1988年に公開された『となりのトトロ』の絵コンテ『スタジオジブリ絵コンテ全集 3 となりのトトロ』には、作中に登場する不思議な生き物「トトロ」の意外な本音が書かれています。それは物語の後半で、妹の「メイ」が迷子になってしまい、トトロに助けを求めにきた「サツキ」が「きっとどこかで泣いてるわ…どうしたらいいか判らないの」と泣いている場面です。
トトロは泣いているサツキを抱きかかえると、突然「ブォロロロロロ」と吠えます。当然、アニメでは吠え声しか聞こえませんが、絵コンテではこの下にカッコ書きで「(かわいい~)」と書かれているのです。その後トトロはサツキを抱いたまま、空へ飛んでいきました。
よく見てみると、アニメではこのときトトロの頬は赤く染まっています。サツキがかわいいのはもちろん、抱きつかれてそう思ってしまうトトロのこともさらにいとおしく思える場面です。
1997年に公開された『もののけ姫』にも、絵コンテを読まなければ分からない事実が隠されていました。作品のラスト間近では、「シシ神」の暴走により死んでしまった森が生き返ったあと、主人公の「アシタカ」は「タタラ場」へ、「サン」は森へと戻ることになります。
映画ではふたりが別れる際、サンが「アシタカは好きだ でも人間を許すことはできない」と言葉をかけています。『スタジオジブリ絵コンテ全集 11 もののけ姫』には、このセリフの前に「サン アシタカのプロポーズに答えている」と説明が書かれていました。さらにアシタカの「それでもイイ サンはもりで 私はタタラ場でくらそう 共に生きよう」という言葉に対し、「サン 一寸(ちょっと)ムリしてほほえみ」というメモもあります。
このプロポーズの設定は一部で有名で、SNSでは「アシタカとサンは『別居婚』ってこと?」とたびたび話題になっています。さらに「アシタカのプロポーズの言葉が気になって、夜も眠れない」という意見も出ていました。
(LUIS FIELD)