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最終回が6つある『オバケのQ太郎』←地域によっては7つも? ではどんな違いがあったのか?

名前を聞けばほとんどの人が顔を思い出す、藤子不二雄先生の大ヒット作『オバケのQ太郎』は、複数回にわたる最終回が存在します。意外と知られていないマンガとアニメの最終回の謎を解き明かしてみましょう。

人によって違う「最終回」の謎

表紙にQ太郎が描かれた『藤子・F・不二雄大全集 オバケのQ太郎』著:藤子・F・不二雄 第1巻(小学館)
表紙にQ太郎が描かれた『藤子・F・不二雄大全集 オバケのQ太郎』著:藤子・F・不二雄 第1巻(小学館)

『ドラえもん』などで知られる藤子不二雄先生の最初の大ヒット作が『オバケのQ太郎』です。後に藤子・F・不二雄先生と藤子不二雄A先生に別れますが、『オバケのQ太郎』はふたりによる合作でした。仲間の石森章太郎(現:石ノ森章太郎)先生らも作画を手伝っていたことで知られています。

 日本中に大ブームを巻き起こし、3度もアニメ化された作品ですが、意外と「最終回」を知らない人、覚えていない人も多いのではないでしょうか? 掲載雑誌を変えながら何度もマンガの連載が行われたことに加え、3度もアニメ化されたため、複数の最終回が存在しています。

●始まりは「週刊少年サンデー」で掲載されたマンガの最終回

 マンガ『オバケのQ太郎』の最初の最終回は、1966年の年末に「週刊少年サンデー」(小学館)に掲載された「Qちゃんさようなら」です。世の中を勉強するため、「Q太郎」は「正太」の家を出ていってしまいます。ライバルでケンカ友達のアメリカオバケ「ドロンパ」は「だまって行っちゃうなんてひどいぞ」と声をあげて泣き、正太も「おーい、Qちゃん、Qちゃん」と泣きながら呼びかけます。これで「おわり」です。

 このままではとても寂しいエンディングですが、次のページでQちゃんがやってきて、正太たちに挨拶をすると、再び空を飛んで家を出ていきました。これで「ほんとにおしまい」になります。

●TBS系で放送されたアニメは地域によって最終回に差があった

 アニメ『オバケのQ太郎』(TBS系)の最終回はちょっと複雑でした。1967年3月に日曜日19時30分から水曜18時に枠を移動しましたが、このときに全国放送は終了しています。水曜日18時の枠は、東京と一部の地域でしか放送されなかったのです。そのため、1967年3月26日放送の「Qちゃんパーマン大かつやくの巻」を最終回だと考える人もいます。

「Qちゃんパーマン大かつやくの巻」は、拳銃の密輸団に捕まったQ太郎と正太がパーマンに助けられるというお話です。Q太郎とパーマンは協力して密輸団を捕まえますが、「君が出るのは来週からじゃないか!」「僕、あわてんぼうだから間違えて1週間早く出てきちゃった」とメタフィクショナルな会話を交わして終わりました。『パーマン』は『オバケのQ太郎』の後番組だったのです。原作の「バイオリンで倒せ!!」が元になっていますが、こちらにパーマンは登場しません。

 水曜日18時枠では、1967年6月まで新作と再放送を一緒に放送していました。このとき最後に放送された新作が「ゆめみるQ太郎の巻」です。しかし、再放送に切り替わった1968年5月には、未放映だった新作「ヨットのQ大将の巻」が放送されたようです。タイトルから加山雄三さん主演の人気映画『若大将』シリーズのパロディーではないかと推測できます。どれが本当の最終回でしょうか?

【画像】まったく関係ないよね…? こちらがQちゃんと共演したお菓子のキャラクターです

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