40年前放送の『GU-GUガンモ』 原作ラストではガンモが木っ端みじんになっていた?
1982年から「週刊少年サンデー」で連載されたマンガ『GU-GUガンモ』は、原作とアニメ版で異なるラストを迎えました。皆さんはその結末を覚えているでしょうか?
まさかの展開に涙した視聴者も

数あるマンガやアニメの最終回は、これまで紡がれてきたストーリーの集大成であり、どのように作品が終わるのか、多くのファンが注目しています。なかには、マンガ版とアニメ版で結末が異なる作品も少なくありません。かつて子供たちが夢中で観ていた『GU-GUガンモ』もそのひとつです。
※この記事には『GU-GUガンモ』終盤の内容を記載しています。ネタバレにご注意ください。
『GU-GUガンモ』は、1982年から「週刊少年サンデー」(小学館)で連載された細野不二彦先生によるマンガで、1984年から約1年間、TVアニメ化もされています。およそ40年前の作品ということで内容はおぼろげかもしれませんが、特徴的なオープニング曲「ガンモ・ドキッ!」を覚えている人は多いのではないでしょうか?
ピンク色の太ったトリ「ガンモ」と、主人公「佃半平太(つくだ はんぺーた)」を中心としたドタバタコメディーが印象的な『GU-GUガンモ』ですが、マンガ版とアニメ版それぞれで異なる結末を迎えていたことをご存じでしょうか?
まず多くの人が覚えているのがアニメ版の最終回でしょう。TVアニメ版ではガンモらしさが垣間見えるラストを迎えました。
第50話「ウソ! ヤダ! ダメ! 涙のお別れパーティー前編/後編」では、金のトリが登場し、ガンモの正体は「天界の王子」で天界に帰らないといけないことが明かされます。そして、ガンモは半平太や仲間たちと涙ながらに別れ、天界へ帰っていくのです。
しかし、故郷に戻ったガンモは、醜い外見を理由に王子として迎えられず、もう1年地球で修行するハメになります。そして、これまでの記憶を消した状態で再び地球に降り立つと卵に入り、誰かが拾ってくれるのを待つ、というラストでした。
半平太との再会を期待できる結末に、当時の視聴者からは「希望を残す終わり方が良かった」「ブサイクという理由で地球へ強制送還されるのがガンモらしい」などの声があがっていました。
一方で原作マンガの単行本12巻の最終話では、それまでの軽快な雰囲気から一転し、ガンモの正体が「鳳凰(ほうおう)の卵」であり、まもなく孵化することが明かされます。
別れを拒む半平太がガンモに抱きついたその瞬間、ガンモは破裂し、なかから10羽以上のひな鳥が飛び立っていってしまうのです。その後、ガンモとの記憶を失った半平太は、ガンモの好物だったコーヒーの香りをかぐと、突如として胸に懐かしさがこみあげて涙を流し、物語は切ない形で幕を閉じました。
なお、細野先生は、本作のDVD-BOXに付属したインタビューでマンガのラストについて、「物語の中盤頃から考え始めたのですが、まぁ漠然と、あんな風にガンモは去るのだろうなぁと。子供漫画ですが、『子供漫画のキャラクターはいつかは去る』というのが、僕の中のイメージとしてあったので」と語っています。
マンガ版とアニメ版、どちらの結末もそれぞれの味わいがあります。この機会に改めて『GU-GUガンモ』を振り返ってみてはいかがでしょうか。
(LUIS FIELD)