マグミクス | manga * anime * game

最終回を観た記憶がない『らんぽう』一部地域限定の幻回で「謎」が全て判明していた!

1984年に放送された『らんぽう』というギャグアニメを覚えていますか? 最終的に「打ち切り」という形で終わってしまったこともあり、どこか尻切れトンボな印象を残した視聴者も多かったはずです。しかし本作には、限られた地域でしか放送されていない「幻の最終回」が存在しました。

ラスト1分で明かされた意外な真実

画像は、幻の最終回も収録されている『らんぽう コレクターズDVD【想い出のアニメライブラリー 第127集】』(TCエンタテインメント) (C)内崎まさとし/秋田書店・NAS
画像は、幻の最終回も収録されている『らんぽう コレクターズDVD【想い出のアニメライブラリー 第127集】』(TCエンタテインメント) (C)内崎まさとし/秋田書店・NAS

 1984年に放送された『らんぽう』というギャグアニメをご存知でしょうか? 放送までに紆余曲折があり、ようやくフジテレビ系でのオンエアにこぎつけたものの、最終的には打ち切りという形で幕を下ろした、何かと不運なアニメ作品です。

 そのため物語の根幹となるような謎も明かされぬまま、第20話で終わってしまったのですが、実は一部地域では第21話が放送されていました。いわば「幻の最終回」となったこのエピソードでは、それまでのギャグを伏線として回収するような、見事なオチが描かれています。

 アニメ『らんぽう』のあらすじをひと言でまとめるなら、宇宙人に改造された少年がハチャメチャを巻き起こすシュールギャグ作品です。主人公の「らんぽう」は、もともと知的でイケメン、女子にモテモテの男子中学生でしたが、ある日、宇宙人に捕まってしまい、まったく別人のような姿に変えられてしまいます。

 それ以降のらんぽうは、やることなすことすべてがめちゃくちゃです。まるで普通の人間から、ギャグマンガの世界の住人になってしまったような変貌ぶりで、火を吹いたり空を飛んだりと、人間離れしたこともやってのけます。

 そんならんぽうの常識外れな行動や、それに振り回される周囲の人びとを描いたドタバタ劇こそが本作の魅力です。またらんぽうが変貌してしまってからも寄り添ってくれるガールフレンドの「むつみ」を始め、個性豊かなキャラクターたちも作品の魅力を引き立てています。視聴率こそ振るわなかったものの、コアなファンの多い作品でした。

 ところが前述の通り、本作は第20話で放送が終了してしまいます。そのため「なぜらんぽうは改造されたのか?」「宇宙人の目的は何だったのか?」といった大きな謎が残されたままでしたが、実は一部の地域では、その真相に迫る第21話が放送されていたのです。

 第21話はそれまでのエピソードを振り返る総集編のような構成となっており、物語のラストではらんぽうを改造した宇宙人が登場します。さらに宇宙から人間たちの様子を観察していた司令官のような存在が現れ、彼の口かららんぽう改造の真の目的が語られました。

 その説明によれば、らんぽうをギャグマンガ的なハチャメチャキャラに変えたのは、地球人が未知の存在にどう反応するかを観察するためのテストだったとのこと。いわばミュータントのような存在となったらんぽうを、周囲の人間たちが受け入れるかどうか、宇宙人たちは観察していたのです。

 そして、なんだかんだでらんぽうを受け入れていた地球人たちを見て、将来的にはほかの星の知的生命体とコンタクトも可能だろうと判断して、物語が終了します。つまりこれまで展開されてきた「らんぽうのハチャメチャな行動」と「それに振り回される人びと」という構図そのものが、宇宙人が用意したテストケースだったというわけです。

 ギャグ作品というジャンルそのものを、ある種メタ的に利用した興味深い結末……。改造されたらんぽうは、当時、流行ったドタバタギャグ作品の象徴とも見ることができ、それを地球人=視聴者はどう受け入れるのかという、メタフィクション的な問いかけとして読み解くこともできそうです。

 それだけに最終回が限られた地域でしか放送されなかったのは、いまとなってはやはり惜しまれます。もし広く知られていれば、その意外な深みや完成度の高さに、もう少し注目が集まっていたかもしれませんね。

(ハララ書房)

【画像】え、目の前で改造!? こちらは「らんぽう」が宇宙人にさらわれる瞬間を目撃したヒロインです(4枚)

画像ギャラリー

ハララ書房

エンタメ記事専門の編集プロダクション。漫画・アニメ・ゲームはもちろん、映画やドラマ、声優にも精通。メイン・サブを問わず、カルチャーの最前線を追いかけていきます。

ハララ書房関連記事

もっと見る

編集部おすすめ記事

アニメ最新記事

アニメの記事をもっと見る