マグミクス | manga * anime * game

原作と違う宿敵「ヨミ」の負けっぷり 『バビル2世』おぼろげな最終回

横山光輝先生の代表作『バビル2世』に登場する主人公「浩一」の宿敵「ヨミ」を覚えていますか? 地球征服を企む「わるいやつ」でしたが、どこか憎めないキャラクターでもありました。実は彼の地球征服の方法はアニメ版と原作マンガでかなり違いがあったのです。

原作とアニメに共通したのは“グッドルーザーなラスボス”?

アニメ『バビル2世 Blu-ray BOX』(ポニーキャニオン)
アニメ『バビル2世 Blu-ray BOX』(ポニーキャニオン)

 横山光輝先生の代表作『バビル2世』は1971年から1973年まで「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)で連載された作品です。原作の連載中に1973年にアニメ版が放送され、ファンクラブが結成されるほど人気を博しました。

 そもそも『バビル2世』は、5000年前に地球に来た宇宙人「バビル」の遺伝子を受け継いだ超能力少年「バビル2世」こと「古見浩一」が「ロプロス」「ポセイドン」「ロデム」の「三つの僕(しもべ)」を従え、地球征服を目論む悪の首領「ヨミ」と戦う物語です。ヨミもまたバベル星人の遺伝子を持ち、ふたりの超能力バトルがクライマックスでした。

 浩一の宿敵であるヨミは、地球征服を企む悪役ですが、どこか憎めないキャラクターです。実は、アニメ版と原作マンガでは、終盤の宿敵「ヨミ」の行動が異なりました。では、具体的にどのような結末を迎えたのでしょうか?

 まずアニメ版では、第26話の直接対決でヨミは極限まで超能力を使い果たした結果、急激に老化して寿命が尽きます。平和が訪れると、「バビルの塔」(マンガ版は「バベルの塔」)は浩一に別れを告げ、しもべたちとともに再び砂のなかに姿を消しました。

 第27話では、ヨミとの決戦後、浩一は日本へ帰還中に愛機「バビル2世号」が墜落します。そこで「ワタリ牧場」の娘「ユキ」に助けられ、住み込みで働きはじめます。「ワタリ牧場」の人には自らの正体を隠し、襲撃してくる新たな敵とひそかに戦い続けていました。実は襲撃してきた敵たちは、ひそかに復活したヨミの仕業でした。しもべたちも牧場付近に潜み、陰ながら浩一を助けていたのです。

 最終回手前の第38話、ヨミは東京の地下街を占領し、20万人の利用客を人質にするも、偶然居合わせた浩一が無事救出します。

 最終話では、ヨミの基地を突き止めた浩一としもべたちが、ヨミのアジトであり最終兵器でもあるロボット「ビッグワン」と対峙します。「ビッグワン」はロプロスとポセイドンが最後の力をふりしぼって打ち破りました。超能力対決でも浩一が圧倒し、ヨミはロケットで脱出を図りますが、ポセイドンたちに撃たれて敗北を喫します。最終的にヨミは「わしの負けだ」と潔く降参し、「ビッグワン」とともに消滅を選びました。

 一方、マンガ版のヨミは一度老化によって死んだあと、体のパーツを他人に移植し、再びつなぎ合わせて復活を遂げます。ヨミは「地下鉄の占拠」ではなく、水爆による洪水で地球を支配しようと企んでいました。東京ではなく北極に基地を作り、ひそかに計画を進めていたのです。

 基地を発見、侵入し、攻撃を仕掛ける浩一の前にヨミが現れ「基地を破壊すると原子炉が爆発して北極の氷がとけ地球が大洪水になる」と警告します。ヨミは浩一に侵入された時点で負けを認め、野望を断念していたため「世界を征服したいが、世界を破滅したいワケではない」と水爆のスイッチを浩一に渡しました。その後、浩一に「だれにも知られずに眠りたい」と頼み、基地とともに北極の氷の底へ沈んで幕を閉じます。

 ヨミの地球征服の方向は大きく異なりますが、敗北を悟った潔く負けを認め、大切な存在とともに静かに散っていく姿は、「敵ながらあっぱれ」と言いたくなる最後でした。

 なお、マンガ版最終12巻のエピソードは、アニメ放送の日程に合わせて急遽、追加されたものです。それが原因かは不明ですが、1995年まで長らく封印されていました。

(LUIS FIELD)

【画像】色っぽすぎた… こちらが金髪美女に変身する『バビル2世』のしもべです(5枚)

画像ギャラリー

LUIS FIELD関連記事

もっと見る

編集部おすすめ記事

アニメ最新記事

アニメの記事をもっと見る