道明寺がパーマじゃない…だと? 20代は知らない、内田有紀主演の『花より男子』が衝撃的
神尾葉子先生の『花より男子』は、これまでに何度も実写化されてきた人気作です。初の実写化は、1995年に公開された映画版で、主演の内田有紀さんをはじめ、現在も第一線で活躍する俳優たちが多数出演していました。『花より男子』と聞いて、この映画版を連想する人は多いのではないでしょうか。
肩パットに裸ジャケット……バブリーな「初代・花男」

実写版『花より男子』といえば、どの作品を思い浮かべますか? 今の若者は松本潤さんが「道明寺司」を演じた2005年版しか知らないかもしれません。実は『花より男子』(作:神尾葉子)の最初の実写化作品は1995年に公開された映画版でした。原作の設定を大胆にアレンジしたこの作品は、2005年のドラマ版とはまったく異なる世界観です。いったいどのような違いがあったのか、今見るとそのギャップに驚かされる「初代・花男」を振り返ってみましょう。
そもそも『花より男子』とは、セレブばかりが集まる名門私立高校「英徳学園」に通う貧乏ヒロイン「牧野つくし」と、学園を牛耳る御曹司4人組「F4」が織りなすシンデレララブストーリーです。原作コミックは累計6000万部を超える大ヒットを記録し、2005年に放送された実写ドラマ版は、続編や劇場版が制作されるほどの人気を博しました。
その魅力のひとつは、井上真央さんや松本潤さんをはじめとする豪華キャストにありましたが、実は初代『花男』も負けていません。主人公の「牧野つくし」役には内田有紀さん、F4のリーダーである道明寺役は谷原章介さん、「花沢類」役には藤木直人さんが起用され、谷原さんや藤木さんにとってはこれが俳優デビュー作となりました。さらに、いじめっ子お嬢様グループのひとりには藤原紀香さんが出演するなど、現在も第一線で活躍する俳優が名を連ねています。
一方で、ドラマ版が比較的原作に忠実だったのに対し、1995年版はさまざまな設定が変更されていました。まず物語の舞台が高校ではなく大学になっており、描かれるのは「英徳学園大学」での華やかなキャンパスライフです。もちろん制服はなく、カラースーツに肩パットという、いかにもバブル期らしいお嬢様たちがキャンパスを彩っています。
スクールカーストの頂点に立つF4も同様にバブリーな装いで、なかでもひときわ異彩を放っていたのが、道明寺のビジュアルでした。髪型は原作のようなくるくるパーマではなく、オールバックでビシッと決め、革パンに上半身裸でベストを羽織るという独特すぎるスタイル。小麦色に焼けた肌を見せつけるかのような出で立ちで、この裸ジャケットは劇中で何度も登場します。さらに海のシーンではブーメランパンツ姿を披露するなど、個性的なファッションが光っていました。
対して牧野は、ドラマ版のような三つ編みやロングヘアではなくショートヘア姿になっています。ファッションも周囲の華やかな女子大生とは対照的で、Tシャツやジーンズといったシンプルで庶民的なスタイルが中心です。ただしショートパンツやミニスカート姿も多く、内田有紀さんの美脚が随所で際立っていました。
また登場人物の年齢設定もドラマ版とは異なり、牧野は大学1年生、道明寺は大学3年生です。F4メンバーは当時の法律で成人しているため、オープンカーを乗り回し、夜のクラブで酒やタバコをたしなむなど、大人の遊びを満喫しています。彼らのバブリーな豪遊ぶりは、令和の若者にはむしろ新鮮に映るのではないでしょうか。
そしてクライマックスのダンスパーティでは、当時人気絶頂だったダンス&ボーカルグループ「TRF」が本人役で登場し、『BABY’S GROWING UP』をバックに、豪華絢爛なパーティーが繰り広げられます。最初から最後まで派手な演出が貫かれており、ドラマ版とはまた違った魅力が感じられるエンタメ映画に仕上がっていました。
そうした90年代の空気を色濃くまとった本作は、当時を知る世代には懐かしく、ドラマ版しか知らない人には意外性たっぷりの1本です。あの頃の『花男』にしかない空気感は、今だからこそ楽しめるかもしれません。
(ハララ書房)

