『スケバン刑事』の結末はドラマと原作でかなり違う? 「麻宮サキ」の最期が衝撃だった
第二部の最終話は、サキひとりのための卒業式

原作の第二部はこんな内容です。海槌麗巳との死闘のショックで記憶を失い、NYに滞在していた麻宮サキですが、記憶を取り戻し、再び学生刑事に復帰します。第二部のラスボスとなるのは、日本の政界を裏から操る黒幕・信楽老(しがらきろう)と海槌麗巳の親友だった鳴海碧子(なるみ・みどりこ)です。
信楽老が企む「グランド・スラム作戦」を阻止するため、サキとこれまでもサキの窮地を救ってきた私立探偵の神恭一郎は、信楽老との対決に臨みます。信楽老のアジト「梁山泊」での戦いは、碧子、さらに行方を絶っていたサキの母・ナツも絡み、壮絶なクライマックスとなります。『怪盗アマリリス』など、他の和田慎二作品にも登場してきた妖怪的存在・信楽老とサキとの決着戦は、和田慎二ファンには感慨深いものがありました。
信楽老の野望を打ち砕いてから半年後、高校の卒業式にサキは遅れて現れます。家族を失い、天涯孤独の身となったサキですが、生活指導の沼重三先生やサキを慕う学生たちが集まり、サキの卒業を祝福します。サキは決してひとりぼっちではないことを描いた、ハッピーなエンディングでした。
ところが原作はそれだけでは終わりません。サキは「神(恭一郎)が待っている」と笑顔で校門から去っていくのですが、見送った沼先生や生徒たちは驚愕の事実を知ります。
実は信楽老との戦いによって、神もサキも絶命していたのです。
みんなが待っている卒業式に、サキの魂が現れ、学園の平和を託してから消え去ったのです。感動的な卒業エピソードにオカルト要素がブレンドされた、衝撃的な最終話でした。
行方不明だった「実写版サキ」のその後
和田慎二氏は、『スケバン刑事』だけでなく、神話を題材にした壮大なファンタジー『ピグマリオ』、メルヘン調の『クマさんの四季』、孤独な少女と怪物との友情もの『わが友フランケンシュタイン』など、少女マンガ界に新風を吹き込む多彩な作品を手掛けました。
その一方、『超少女明日香』や『傀儡師リン』など、未完のままとなった作品も残されています。2011年7月5日に、和田氏が61歳で亡くなったことが本当に惜しまれます。
原作では完結した『スケバン刑事』は、ほとんどの人からは忘れられがちですが、松浦亜弥さんが四代目・サキを襲名した実写映画『スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ』(2006年)も東映は制作しています。行方不明になっていた初代・サキのその後を思わせる設定で、斉藤由貴さんも特別出演していました。
学園に悪がはびこる限り、五代目、六代目……、と新しい麻宮サキが登場する日が訪れるかもしれません。
(長野辰次)




