主人公が永眠、主役メカを自ら破壊…ロボットアニメ「子供には難解すぎた最終回」
最終回は物語の集大成として、すっきりとした結末を期待するものです。しかし1980年代から1990年代のロボットアニメには、子供たちには難解過ぎるラストを迎えた作品がありました。
大人になった今なら分かる?

子供の頃にロボットアニメを観ていて、「最後がよく分からなかった」という経験はありませんか。特に1980年代から1990年代にかけて放送された一部の作品は、大人でも理解に苦しむほど複雑で哲学的な結末を迎えるものがありました。当時の少年たちが「え、どういうこと?」と困惑した、そんな難解すぎる最終回とは。
●『装甲騎兵ボトムズ』―主人公補正の究極系が選んだ道
1983年に放送された『装甲騎兵ボトムズ』は、高橋良輔監督による傑作リアルロボットアニメです。主人公の「キリコ・キュービィー」は「異能生存体」と呼ばれる特異体質の持ち主で、どんな窮地に陥っても絶対に死なないという究極の主人公補正を持っていました。
しかし、この「死なない理由」が最終回で明かされたとき、多くの子供たちは混乱しました。キリコの正体は、古代文明の異能者たちの後継者として選ばれた存在だったのです。ラスボスの「ワイズマン」から「宇宙の支配者になれ」と持ちかけられたキリコは、一度は快諾するふりを見せながら、最終的にワイズマンを騙し討ちにして破壊します。
そして物語のクライマックス。キリコが選んだのは、愛する「フィアナ」とともにに冷凍カプセルに入り、永遠の眠りにつくことでした。「戦いがある限り利用される」から「戦いのない世界」へ行く。当時の子供たちにとっては「なんで寝ちゃうの?」と理解に困る哲学的な結論だったかもしれません。
●『太陽の牙ダグラム』― 政治色濃厚な大河ドラマ
1981年から1983年まで全75話で放送された『太陽の牙ダグラム』は、植民星デロイアの独立戦争を描いた壮大な物語でした。しかし、その内容は子供向けとは思えないほど政治色が濃く、複雑な人間関係と駆け引きが絡み合っていました。
最終話では、デロイアの独立が認められる一方で、地球連邦の実力者「ヘルムート・J・ラコック」が部下に殺害され、独立の立役者「デビッド・サマリン」博士も命を落とします。そして主人公「クリン・カシム」は、愛機ダグラムを新政府に引き渡すことを拒否し、自らの手で爆破してしまうのです。
「僕はこの手で、ダグラムと別れる!」 なぜ大好きなロボットを主人公自ら壊すのか。涙ながらに叫ぶクリンの心境に共感することは、当時の子供にとっては難しかったかもしれません。
●『新世紀エヴァンゲリオン』― アニメ史に残る衝撃最終回
1996年に放送された『新世紀エヴァンゲリオン』の最終話は、アニメ史上最も議論を呼んだ結末のひとつでしょう。第25話と第26話で展開されたのは、主人公「碇シンジ」の心象風景がほぼ全編を占める異色の構成でした。
「人類補完計画」が発動する中、シンジは自分の存在意義について延々と自問自答を続けます。画面には静止画やテロップ、実写映像まで登場し、従来のロボットアニメの枠を完全に逸脱していました。そして最後は、周りの人々が「おめでとう」と拍手でシンジを祝福し、シンジが「ありがとう」と答えて終了。
使徒との戦いがどうなったのか、エヴァの謎は解けたのか、人類補完計画の結末は? こうした疑問は一切解決されず、多くの視聴者が「?」状態になりました。この心理劇的な展開は、大人のファンですら理解が困難であり、当時子供の視聴者はなおさら困惑したかもしれません。
●時代を先取りし過ぎた作品たち
これらの作品に共通するのは、かつては子供向けとされたロボットアニメの枠を超えて、大人の鑑賞にも耐える深いテーマを扱っていたことです。しかし、それゆえに当時の子供たちには理解が困難でした。現在では、これらの作品は再評価されており、当時理解できなかった子供たちも、大人になってから見返すことで新たな発見が得られるかもしれません。
(マグミクス編集部)


