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菅原文太・愛川欽也の『トラック野郎』が50周年 ヒロインとの出会いは毎回「トイレ」?

渥美清さんが「フーテンの寅さん」を演じた『男はつらいよ』と並ぶ、「昭和」の人気映画シリーズに、菅原文太さんと愛川欽也さんが共演した『トラック野郎』があります。大型トラックの運転手たちが主人公だけに、実にパワフルなアクションコメディでした。第1作の劇場公開から50年を迎えた『トラック野郎』の魅力を振り返ります。

「昭和」の匂いをプンプンさせた中年コンビ

シリーズ第1作『トラック野郎 御意見無用』DVD(東映)
シリーズ第1作『トラック野郎 御意見無用』DVD(東映)

 ド派手な「デコトラ」が爆走する昭和時代の人気ロードムービーといえば、菅原文太さんと愛川欽也さんが共演した東映映画『トラック野郎』です。夏休みとお正月向けに年間2本ペースで公開され、全10本が製作されています。

 シリーズ第1作『トラック野郎 御意見無用』(1975年)が公開されて、2025年8月30日(土)で50年を迎えます。東映チャンネルでは、同日の午後2時から『トラック野郎 御意見無用 4Kリマスター版』をはじめ、シリーズ前半にあたる5本を一挙放映します。

 菅原文太さん演じる「星桃次郎」、キンキンこと愛川欽也さん演じる「やもめのジョナサン」の中年トラッカーコンビが全国各地へとトラックを走らせる、アクションコメディの快作です。「昭和」の匂いがプンプンする『トラック野郎』の魅力を振り返ります。

「ヤクザ役」からの転身が大成功に

 主演の菅原文太さんは、実録ヤクザ映画『仁義なき戦い』(1973年)が大ヒットし、シリーズ化された直後でした。コワモテなヤクザ役から、コメディものへの転身でしたが、これが大成功。ケンカっ早いが、惚れやすい性格の桃次郎役を人情味たっぷりに演じています。

 便意を催した桃次郎がドライブインのトイレに駆け込むと、個室は使用中状態。「おい、早くしやがれ!」と荒々しくドアを叩くと、美しいマドンナ・洋子(中島ゆたか)が「ごめんなさいね」と現れるというのが、第1作『御意見無用』でした。桃次郎とマドンナとの出会いの場はトイレ、というのが『トラック野郎』初期の基本パターンです。

 ライバルトラッカーとのケンカシーンも、見どころでした。佐藤允、田中邦衛、梅宮辰夫、千葉真一らがゲスト出演し、毎回のように大乱闘が繰り広げられます。ケンカの後は、お互いを認め合うというのも「昭和」らしい光景でしょう。

 自宅のない桃次郎は、いつもお土産を持って行きつけの「ソープランド」に寄り、ソープ嬢を相手に寛ぐというのもお約束のシーンでした。気前のいい桃次郎は、ソープ嬢たちの人気者です。一方、相棒のジョナサンは、妻の君枝(春川ますみ)との間に7人以上の子供がいるという大家族です。みんなで食べるすき焼きやソーメンが、とても美味しそうでした。

 高度経済成長時代の風俗と人情が、『トラック野郎』全10作にはぎっしりと詰まっています。

【画像】「えっ、意外とカッコイイ?」 これが『トラック野郎』で活躍したデコトラたちです(6枚)

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長野辰次

フリーライター。映画、アニメ、小説、マンガなどのレビューや作家インタビューを中心に、「キネマ旬報」「映画秘宝」などに執筆。現在公開中の『八犬伝』(キノフィルムズ配給)の劇場パンフレットなどにもレビューを寄稿している。

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