マグミクス | manga * anime * game

「思ってたのと違う」「朝ドラじゃ無理」 『ばけばけ』ラフカディオ・ハーンが新聞記者として書いてたヤバい記事とは

連続テレビ小説『ばけばけ』のレフカダ・ヘブンは、アメリカの新聞社で働いていました。彼のモデルであるラフカディオ・ハーンがどんな記事を書いていたか知っていますか?

大好評だった凄惨な殺人事件記事

『連続テレビ小説 ばけばけ Part1 NHKドラマ・ガイド』(NHK出版)
『連続テレビ小説 ばけばけ Part1 NHKドラマ・ガイド』(NHK出版)

 2025年後期のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』は、『怪談』や『知られぬ日本の面影』などで知られる明治時代の作家、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)と彼を支えた妻のセツをモデルにした物語です。

 第5週ではハーンをモデルにした「レフカダ・ヘブン(演:トミー・バストウ)」が、「松野トキ(演:高石あかり)」が暮らす松江にやってきました。10話では、ヘブンが松江に来る以前、アメリカで新聞記者として働いている姿が描かれています。

 実際、ラフカディオ・ハーンは日本に来る前、アメリカの新聞社で人気記者として活躍していました。とはいえ、彼が書いていた記事は、現代の新聞の読者が想像するものとは、少し異なる内容だったのです。

 20代前半だったハーンが最初に記者として仕事をしたのは、アメリカ中西部の都市、オハイオ州シンシナティで発行されていた「シンシナティ・インクワイヤラー」です。当初は書評記事や美術展の批評などを書いていましたが、やがてハーンは怪奇趣味の本領を発揮しはじめ、オカルトの話題などを取り上げるようになります。

 そのほかにも、墓地や精神病院、貧民窟、凄惨な事件など、人びとが思わず目を背けたくなるのに、それでも読まずにはいられないような素材を次々と取り上げて、わざとグロテスクな筆致で書いていきました。ハーンはそのような記事が、朝の食卓にふさわしくなくても、一般読者の関心を惹くことが分かっていたようです。

 たとえば、皮革製造所で起こった殺人事件の記事では、「よほど胃の強い人間でなければこの屍体は正視できない」と前置きしながら、焼却炉で焼かれた被害者の死体の様子を詳しく描写していました。ハーンの記事は「イエロージャーナリズム」と呼ばれたタブロイド紙やワイドショー、週刊誌のルポルタージュ、近年ならNetflixのドキュメンタリーや事件解説、考察系のYouTuberの先駆けだったともいえるでしょう。

 ハーンの記事は爆発的な人気を呼び、新聞社のなかでも最も優秀な記者と評されるようになりました。NHKの朝ドラでは、とても描写できない内容だったのは間違いありません。

 ハーンは「シンシナティ・インクワイヤラー」を退職し、ルイジアナ州ニューオリンズの「デイリー・アイテム」という小さな新聞で仕事をするようになってからは、事件記事とは一線を画し、死後の世界をテーマにしたコラムや白人文化と黒人文化が入り混じったクレオール文化を取材したルポルタージュを発表し、評判を呼びました。

 新聞記者ではなく作家として注目を集めるようになったハーンは、1884年にニューオリンズで開催された万国博覧会で日本文化に興味を持ち、そのことが日本にやってくるきっかけとなります。

※高石あかりさんの「高」は正式には「はしごだか」

(大山くまお)

【画像】え…っ! 夫婦で立って並ぶと「あんま身長変わんなくね?」 コチラが小泉八雲さん(ギリシャ人)と小泉セツさん(日本人)の写真です

画像ギャラリー

大山くまお関連記事

もっと見る

編集部おすすめ記事

ドラマ最新記事

ドラマの記事をもっと見る