『がんばれいわ!!ロボコン』石田秀範監督が語る、悪戦苦闘「タンタンメン」の演技
1970年代に子供たちの人気を集めた特撮TVドラマ『がんばれ!!ロボコン』が、令和の時代に映画『がんばれいわ!!ロボコン ウララ~!恋する汁なしタンタンメン!!の巻』として蘇ります。監督は、平成仮面ライダーシリーズの多くを手掛け、1999年の『燃えろ!!ロボコン』でもメガホンを取った石田秀範さん。20年ぶりの新作についてお話を聞きました。
浦沢さんが脚本だと聞いて「あぁー!」と……

1974年から1977年にかけて全118話が放送され、子供たちに大人気となった特撮番組『がんばれ!!ロボコン』の最新作、『がんばれいわ!!ロボコン ウララ~!恋する汁なしタンタンメン!!の巻』(以下、映画)が2020年7月31日(金)から上映されます。同作の監督を務めるのは、平成仮面ライダーシリーズの多くを手掛け、1999年に放送されたリメイク版『燃えろ!!ロボコン』でもメガホンを取った石田秀範監督(以下、石田監督)。20年ぶりの新作にどのような想いで臨んだのか、お話を聞きました。
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――映画は石田監督と脚本の浦沢義雄氏(以下、浦沢)が『燃えろ!!ロボコン』以来久々のタッグを組んだ作品になります。最初に脚本が浦沢氏だと知ったとき、どう思われましたか?
石田 「あぁー!」と思いましたね。これは大変な仕事になるなと(笑)。浦沢さんの脚本は、僕のような凡人にはまったく理解不能なんです(笑)。浦沢さんと組ませていただくときはいつもそうなんですが、きわめて独特な脚本を書かれる方なので、演出家の感性が試されるんですよ。そこにはっきりとした答えが書かれていないので、演出家が自分で答えを見つけていかなければいけない。でも、嫌だとは思いません。
というのは、逆に言うと自由に仕事ができるからなんです。そういう意味では楽しいのですが、作業量がものすごく増えるんですよね。
――今回は最初から浦沢氏が脚本をやると決まっていたんでしょうか?
石田 たぶんそうじゃないでしょうか。僕が参加したときにはもう浦沢さんがやると決まっていました。浦沢さんの世界観はアンタッチャブルなので、僕は脚本をいただいただけです(笑)。
――今回、サブタイトルが「恋する汁なしタンタンメン」となっています。食べ物を擬人化するのが得意な浦沢氏らしいとは思いますが、普通、汁なしタンタンメンは恋をしませんし、鈴村健一(以下、鈴村)さんが声をあてることもありません。演出の際にはどのようなことを意識されましたか?

石田 汁なしタンタンメンは動きもしませんし、しゃべりもしませんよね? しばらく考えたんですけど、どう考えていいかすらも分からない。相当頭をひねったんですが、やはり、鈴村さんに頼るところが大きくなりました。僕も鈴村さんもカメラマンも含めて、どうイメージして発想するかは完全に自由なんです。答えも方程式も何もないなかで、人が思いつかないような面白い発想をできるかどうかが勝負……という状況でした。
タンタンメンのデザインについてもそうです。普通、タンタンメンが回転しても作中のような状態にはなりません(笑)。無い知恵を絞って、スタッフの協力も得て、見た目が良いように、綺麗になるように相当考えましたよ。