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毎年新作があるのは当たり前? 第1作『のび太の恐竜』が作った日本アニメ映画の礎

最初のシナリオは2時間半を超える力作

「東映まんがまつり」の企画がなくなった後、今度は小学館から『ドラえもん』の長編映画制作が提案されます。藤子・F・不二雄先生は、自分は短編作家だからと、それでも固辞しようとしましたが、シンエイ動画のプロデューサー・楠部三吉郎氏の後押しもあり、てんとう虫コミックス10巻に収録された「のび太の恐竜」(短編版)を膨らませて、長編映画の原作となるマンガを描くことをついに決心します。

 この「のび太の恐竜」は、1975年に「増刊少年サンデー」に掲載されたもので、30ページ弱とはいえど、学年誌での10ページ前後という通常の『ドラえもん』の制約から離れて描くことができたからか、藤子・F・不二雄先生自身かなり思い入れの強いエピソードだったそうです。

 1979年の夏、映画の制作にあたり、まず藤子・F・不二雄先生は、帝国ホテルに3日ほど泊まり込んで全体のプロットを作りあげます。先述したとおり、子供向けの劇場アニメといえば短編かテレビアニメの再編集が主だった時代です。そんななか完全新作の長編アニメ制作の土台を担うことになった藤子・F・不二雄先生の感じていたプレッシャーがいかほどのものか想像もできませんが、完成したシナリオは手書きで原稿用紙130枚、実際に映像化すると2時間半をこえる力作だったといいます。

 ちなみにシナリオの時点では本作にも出木杉英才が登場していて、のび太たちと冒険を繰り広げていましたが、絵コンテの段階で整理されたそうです。出木杉が『ドラえもん』のマンガ本編に登場したのが同年の夏だったこともあり、ファンの間では出木杉は映画『のび太の恐竜』のために作られたキャラクターなのではないかとささやかかれています。

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