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4DXにぴったりな映画『パトレイバー』レビュー 先進性に時代が追いついた?

デジタルツールに依存する危険性

上演記念グッズ「A2ポスターイングラム」(画像:ジェンコ) (C)HEADGEAR
上演記念グッズ「A2ポスターイングラム」(画像:ジェンコ) (C)HEADGEAR

 劇場版『機動警察パトレイバー』の面白さは、それだけではありません。すでに公開から30年以上が経過していますが、時代の先取り感に改めて驚きを覚えます。ロボットの普及は、まさにこれからの現実世界で始まろうとしているところです。

 また、テレワーク中にパソコンがフリーズしてしまうと、それだけで頭を抱え込む状態に陥ってしまいます。デジタルツールはとても便利ですが、その便利さに慣れ過ぎてしまうと、とても危険です。あまりに複雑に進化したデジタル機器は、専門家でないとメンテナンスできない厄介な代物となっています。ずいぶん前から、デジタル社会への警告を発していたわけです。

 米国やイスラエルでは無人攻撃機(ドローン)がすでに実戦投入されており、中国やロシアでも開発・導入が進められている状況です。「もしも、軍事用ドローンが誤作動を起こしたら」「もしも、コンピューターがハッキングされたら」と考えると、背筋に冷たいものを感じずにはいられません。

多くの作品に影響を与えた『パトレイバー』

 リアルな世界観に加え、個性豊かな特車二課の顔ぶれも『パトレイバー』の大きな魅力です。「イングラム」を誰よりも愛する泉野明、レイバー製造を請け負う「篠原重工」社長の息子としての葛藤を抱える篠原遊馬。以前は暑苦しいだけのキャラとしか思えなかった太田功(CV:池水通洋)ですが、久々に見ると危険な任務に身を挺して挑む勇敢さは評価したくなります。

 特車二課第2小隊を束ねるのは、一見すると昼行灯に見えるけど、実は切れ者の班長・後藤喜一(CV:大林隆介)。そして、忘れてならないのが、「おやっさん」こと整備班の榊清太郎(CV:阪脩)です。劇場版第1作では、榊班長の名言「人間の側が間違いを起こさなけりゃ、機械も決して悪さはしねえもんだ」が用意されています。多彩かつ、ユーモラスな群像劇スタイルは、湾岸署を舞台にした刑事ドラマ『踊る大捜査線』(フジテレビ系)にも影響を与えています。

 4DX化第1弾に選ばれた『機動警察パトレイバー the Movie』が好評だったので、都市型テロをリアルにシミュレートした『機動警察パトレイバー2 the Movie』(1993年)、ポン・ジュノ監督の『グエムル 漢江の怪物』(2006年)の元ネタとなった『WXIII 機動警察パトレイバー 』(2002年)も、4DXバージョンを体感してみたいものです。

 異なるメディアによって、またテクノロジーの進化によって、『機動警察パトレイバー』はこれからも新しい魅力を発信していくのではないでしょうか。

(長野辰次)

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